日本代表“ベスト8”への道。対コロンビア戦、守備の穴を突くための“切り札”としての遠藤
C組で日本代表の“最強のライバル”になると予想されるコロンビア。エースのファルカオが膝の負傷で本大会の出場が微妙になっているとはいえ、優れたアタッカーを揃えており注意が必要だ。ただ、あまり語られていないのは南米予選で最少失点の守備。著書『日本代表ベスト8 ブラジルW杯・対戦国シミュレーション分析(サッカー小僧新書EX006)』(ガイドワークス)でブラジルW杯の対戦国を詳細に分析し、ザックジャパンの戦い方を展望した河治良幸氏が解説する。
2014年03月28日(Fri)8時23分配信
裏への“一発”のパスはなかなか難しい
コロンビアは南米予選の16試合で最少の13失点。ペケルマンが監督に就任してからは15試合で9失点しかしていない。老練なジェペスが統率するコロンビアのディフェンスを崩すには、FWの動きが非常に重要となる。[3-4-3]での柿谷の起用は未知数な部分も多いが、本田、香川と前線で流動的に絡む形ができれば相手のディフェンスにとっても嫌な存在になるだろう。
柿谷に最も期待されるのは得点だが、ジェペスとペレアの合間を抜けようとする動きを繰り返すことで、相手DFに裏を意識させ、本田や香川が中に流れてボールを持つスペースを作っていきたい。
実際に裏へと抜け出し、中盤やサイドから浮き球のパスを受ける場面を作れれば理想的だが、GKのオスピナやサイドバックのカバーリングもあるため、かなりタイミングが合わなければ一発では難しい。
コロンビアの守備陣がシンプルに裏に抜け出されて失点したケースはベネズエラ戦の一度だけだった。それでも危険な場面を生み出し、相手に背後を意識させることで、中盤からのスムーズな組み立てとチャンスメークを引き出すことができる。
【次ページ】南米最少失点だが、穴が無いわけではない