フットボールチャンネル

日本代表 10年前

日本代表で柿谷が活きない3つの停滞ポイント。チームのズレを生む“前田の亡霊”

text by 清水英斗 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Getty Images

柿谷は前田ほどのプレス強度、精度が無い

 ただし、確実に言えるのは、このシーンに代表されるようにサイドからのクロスを柿谷が中央でどうこうしなければならないような場面がセルビア戦、ベラルーシ戦の両方を通じて多く見られたこと。

 柿谷ではなく、前田の良さが出そうな場面のほうが多いのだ。その役割に重点が置かれるなら、前田やハーフナー・マイク、あるいは豊田陽平を出場させたほうがいい。

 また、前線からのプレッシングにおいても、やはり柿谷は前田ほどのプレス強度、精度が出ていない。身体的に無理が効くタイプでもない。

 前半27分には柿谷がうまく相手の右センターバックを追い込み、蹴らせたロングボールを今野が難なく回収した場面があった。ザックはコーチングエリアから柿谷に対して拍手を送り、「それだ!」というメッセージを送っていた。

 クロスを合わせる場面にしても、前線の追い込みにしても、前田がやっていたことを柿谷が追いかけるだけなら、前田をそのまま出したほうがいいに決まっている。

 これは時間が解決するのか、あるいは……。本田が言う「若干ちぐはぐな部分がある」というのはこのような場面の積み重ねを指すのだろう。

1 2 3 4 5

KANZENからのお知らせ

scroll top