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日本代表 10年前

日本代表はW杯でどう戦うべきか? 武器と3つの弱点から見る“勝負のポイント”

text by 西部謙司 photo by Getty Images , Kazhito Yamada / Kaz Photography

弱点③:セットプレー

 ドリブルを武器にしている選手も少ないので、手薄なところをついて一気に仕掛ける攻撃もあまりできない。セルビア、ベラルーシ戦はどちらも厚く守る相手に攻めあぐむ形になり、ボールを持っているわりにチャンスが作れなかった。

 攻め込みが停滞すると、パスの距離が短く詰まりすぎるのも修正点だろう。長すぎるのは日本の距離ではないが、あまりに短いパスを同じエリアで連続させるのは手詰まりになりやすいうえ、人が集まりすぎて「攻め直し」にも支障をきたす。

 遠藤→香川、本田のほかに攻撃スイッチのルートを作ること。主にセンターバックがその役割を果たさなければならないだろう。そして、詰まりすぎる前に目先を変えること。「攻め直し」の停滞感が解消されれば、ギリシャのブロックに穴を空けるのは、そんなに難しくないのではないか。

 セットプレーは日本の武器であるとともに弱点でもある。

 攻撃でのFKは武器だ。直接狙えるキッカーとして左足の本田、右足の遠藤がいる。クロスボールからの得点力も高い。

 コンフェデレーションズカップのイタリア戦では、岡崎が遠藤のクロスをヘディングで決めている。長身のモントリーボに競り勝ってのゴールだった。

 一方、CKやFKからのクロスボール対応は守備での弱点だ。

 流れの中でのハイクロスに対して、日本のDFにはそれなりの耐性があるのだが、セットプレーとなると相手はセンターバックなど長身選手を4人ぐらいゴール前に送り込んでくる。日本で高さがあるのは吉田、森重(または今野)だが、彼らが相手のナンバーワンとナンバーツーのマークをするとしても、3番手あたりからが苦しい。

 空中戦の最重要地域であるニアポスト付近に立つのは本田、岡崎、遠藤あたりなのだが、いずれも強力とは言い難い。

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