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日本代表 10年前

日本代表はW杯でどう戦うべきか? 武器と3つの弱点から見る“勝負のポイント”

text by 西部謙司 photo by Getty Images , Kazhito Yamada / Kaz Photography

ベスト8までで必要なものはない

日本代表はW杯でどう戦うべきか? 武器と3つの弱点から見る“勝負のポイント”
岡崎が長身のイタリア人に勝つこともできる【写真:Getty Images】

 攻撃と守備では高さの定義が違う。攻撃では助走が使えるので、身長差があっても早く落下点を占めたりジャンプ力を使えば競り勝つチャンスは十分ある。岡崎が長身のイタリア人に勝つこともできるわけだ。

 ところが、守備ではそのアドバンテージがそっくり相手にいく。停止状態から、あるいは後ろに下がりながら競り合う体勢になるので、身長差を埋める手立てがあまりないのだ。

 セットプレーに関しては、その機会をなるべく与えないというのが最も効果的な対策としかいいようがない。

 国土が広いブラジルでのコンディショニングは大会のカギを握るだろうし、負傷や出場停止など、さまざまな要素が結果に影響を与える。とはいえ、個々の選手の能力、経験、チームのまとまりからいって、今回の日本は過去4回よりもレベルアップしているのは間違いない。

 もちろん相手があることなので結果はわからないが、これまでで最も安心して見ていられるチームだ。W杯で何が必要かもはっきりしている。

 ただ、グループリーグ突破やベスト8進出の成績を出すために必要なものは、現在の日本にはないと思う。

 ポルトガルはロナウドというスーパースターを擁していて、他の選手の力量も高く、プレースタイルも確立されているが、誰もポルトガルを優勝候補には推さない。多くの人々にとって優勝候補はブラジル、スペイン、ドイツであって、あとはアルゼンチン、イタリアなどを加えるかどうか。

 実際に32ヶ国の差はさほど大きくないのだが、現実に優勝できそうな国は限られている。日本がそこに食い込めるかどうかは、また違う課題になる。

【了】

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