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日本代表 10年前

日本代表はW杯でどう戦うべきか? 武器と3つの弱点から見る“勝負のポイント”

前回の南ア大会では守備的な戦い方でグループリーグを突破した日本代表だが、今大会でそれ以上の成績を残すためには何が必要なのだろうか。日本代表が勝つためのポイントを提示する。

text by 西部謙司 photo by Getty Images , Kazhito Yamada / Kaz Photography

メンバーが固まっているため安定はしている日本

日本代表はW杯でどう戦うべきか? 武器と3つの弱点から見る“勝負のポイント”
アルベルト・ザッケローニ監督はチャンスメークに関して、いくつかのアイデアを植え付けた【写真:Getty Images】

 過去4大会と比べて最高の状態かもしれない。それがベスト16やベスト8を保証するものではないが、とりあえず何が出来て、何が課題なのか、かなりはっきりしているのではないだろうか。日本代表はそれだけ完成度が高い。

 日本の長所は敵陣でのプレーだ。ハーフウェイラインから相手のエンドでプレーしているかぎりにおいては、イタリア、メキシコ、オランダ、ベルギーに対しても良いプレーができていた。パスもつなげるし崩せるし点もとれた。

 奪われても素早くプレッシャーをかけて奪い返したり、ロングボールを蹴らせてカットしたりすることもできた。ときおりカウンターアタックを食らう場面もあったが、ある程度は仕方がない。

 一方、自陣でのプレーぶりはかなり心許ない。守備ブロックを作っていても、なかなか奪い返せない。そうこうしているうちに必ずミスが出て失点する。

 つまり、日本は攻撃型のチームであり、ハーフウェイラインから向こうでプレーしているときに特徴が出る。

 アルベルト・ザッケローニ監督は、協会の注文どおりのチームを作ったと思う。南アフリカでの日本は、強固な守備でベスト8目前まで行ったものの、最後までどうやって点をとるのかよくわからないチームでもあった。あれに攻撃力を加えられれば…と考えるのは無理もない。

 リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドのようなアタッカーがいるのなら、そんなに難しい注文ではない。彼らがプレーしやすいように編成を整理すればいい。しかし、日本にそのようなストライカーがいない以上、攻撃力アップは違うやり方になる。ザッケローニ監督はチャンスメークに関して、いくつかのアイデアを植え付けた。

 パターンといってもいい。それがすべてではないが軸にはなる。連係勝負なので、そのぶんメンバーは変えにくい。本田圭佑、香川真司、岡崎慎司、遠藤保仁、長友佑都は不動のレギュラーとなり、爆発的な進化はないかわりにパフォーマンスはおよそ安定している。

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