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日本代表 10年前

ザックはまだ3-4-3を諦めていない――。“伝家の宝刀”の利点とW杯3戦目コロンビア戦で採用すべき理由

text by 河治良幸 photo by Getty Images

サイドで優位作りやすいが、欠点も

[3-4-3]の形を俯瞰してもらえば分かるが、左右のウィング、サイドハーフ、CBの3人が大きなトライアングルを形成している。彼らが攻撃の主な起点となり、守備時ボールの奪いどころだ。

 多くのチームは[4-2-3-1]もしくは[4-3-3]を採用しているが、基本的にサイドの対応を2枚で行うため、[3-4-3]のチームは常にサイドで数的優位を作れる状態になる。

 この点に関して内田篤人は「サイドに3人いるので、三角形でボールを回しやすい」と語る一方で、「ポンポン回す分にはいいけど、そこでシステムが固まり過ぎちゃう」という問題点に触れたことがあった。つまり攻撃時にポジションのバランスがはまりすぎて、そこからブレイクしていく動きをなかなか出しにくいのだ。

 崩しというのは仕掛けのスイッチを入れるところで、何らかのブレイクするアクションが必要になる訳だが、たまに集まって動き方を確認しても、バランスにとらわれてなかなかブレイクが生まれない。

[3-4-3]の基本的なポジショニングを完璧に叩き込んだ上でないと、そこから応用には持っていけない。[3-4-3]は[4-2-3-1]に増してサイドが起点として重要な役割を担うが、クロスにしても、そこから中にリターンしてもワンツーにしても、形のままだとゴール前の局面で人数が足りない。

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