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日本代表 10年前

ザックはまだ3-4-3を諦めていない――。“伝家の宝刀”の利点とW杯3戦目コロンビア戦で採用すべき理由

text by 河治良幸 photo by Getty Images

トップ下のスペースを有効利用することができるか

ザックはまだ3-4-3を諦めていない――。“伝家の宝刀”の利点とW杯3戦目コロンビア戦で採用すべき理由
機動力の高い大久保が右ウィングに入れる布陣も面白いかもしれない【写真:Getty Images】

 チリの場合はウィングに実質ストライカーの選手を並べ、高い位置に起点ができるとボランチの1人が積極的に飛び出して絡むことで、決定機に少なくとも4人が絡むスタイルをとっている。

 日本代表でも左サイドから長友がクロスを上げる場合は同サイドのウィングが素早く中に入り、ボランチの選手が攻撃参加するなど、フィニッシュに持ち込む段階で大きな動きを出していく必要がある。

 また[3-4-3]は構造的にトップ下の部分がブランクになる。チリは日本代表と違い、1トップを置かない実質的な[3-4-1-2]をとるが、日本の場合は逆に流れの中でブランクとなっているトップ下のスペースをうまく使うことができれば、バイタルエリアでフリーの状況が生まれやすくなる。

 コンフェデのメキシコ戦で本田と香川を2列目でシャドー気味に並べたのは、サイドを起点としながら崩しの局面で中央を突きたかったためだ。本田と香川が開いたポジションで中央を空けておき、右サイドで本田が起点となれば香川がバイタルエリアに顔を出してスイッチを入れる。

 そうした日本ならではの[3-4-2-1]が現実的に最も浸透させやすい形だろう。機動力の高い大久保が右ウィングに入れる布陣も面白いかもしれない。

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