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良くも悪くもペップ・バイエルンの“模倣”となったドイツ代表。ポゼッションスタイルは実現もW杯では「危険な綱渡り」

text by 本田千尋 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Getty Images

パススタイルは実現もカメルーンのカウンターに苦戦

 ドイツ代表のポゼッションスタイルは、まさに昨シーズンのブンデスリーガを制したペップ・バイエルンの姿を彷彿とさせるものだった。

 しかし対カメルーン戦で先発したバイエルン所属の選手は、ボアテンク、クロース、ミュラー、ゲッツェの4名に留まり、そのスタイルはペップ・バイエルンの模倣に過ぎなかったのも事実である。

 ドイツ代表と言えど、究極的には寄せ集めの集団に過ぎない。もちろん限られた時間の中では難しいことだが、カメルーン戦でパススタイルを実現はしたが、連携はまだ成熟したものとは言い難かった。

 そしてドイツ代表はペップ・バイエルンの悪いところも模倣してしまう。ボールを支配はするが、なかなか決定機を作り出すことが出来ない。

 ペナルティ・エリアの前に陣取った相手を崩せず、ボール回しに終始する。そしてボールを失うや否や、後方のスペースを突かれて、相手のスピードに乗ったカウンターを喰らってしまった。

 ドイツ代表は、左サイドのチュポ・モティングを中心としたカメルーンのカウンターに再三苦しんだ。そして62分には、合宿の疲れも出たのか、足の止まったDF陣の前で、エトーに先制ゴールを許してしまう。

 ドイツ代表は反撃を試みる。66分、ミュラーとボアテンクのバイエルン・コンビで1点を返し、71分にも左サイドを突破したポドルスキの折り返しを、中央でシュールレが合わせて逆転に成功する。

 しかし、78分、またも左サイドから飛び出したチュポ・モティングに、そのままゴールを決められて、2-2のドローでゲームを終えることとなった。

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