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夢うつつ精神的に脆かったザックジャパン。コートジボワール戦、必然の敗北。本田だけが見ていた現実

text by 植田路生 photo by Getty Images

現実と向き合っていた本田圭佑

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この試合、戦っていのは本田圭佑だけだった【写真:Getty Images】

 この試合、戦っていのは本田圭佑だけだった。コンディションをこの試合に合わせ、ぬかるんだピッチにも足をとられず振り抜いた左足から先制点を生んだ。状況に合わせて上下左右に動きまわり、ティオテら中盤の激しいプレスをどうかわすかを考えていた。

 ビハインドの状態でも本田はボールをキープすることができたが、如何せん仲間がついてこなかった。

 実力でそこまで劣っていたとは思えない。次にやれば勝つかもしれないが、実際にそのようなことはない。W杯は一発勝負で結果を出さなくてはならない。コートジボワールは「日本戦」という現実と常に向き合ってきた。

 アフリカ一のタレント集団は、日本を相手にカウンター中心の戦い方で、なりふり構わず勝ち点3を目指していた。リードしてからは、しっかりと後ろの人数を増やした。

 一方、日本はどうだったのだろうか。自分たちのサッカーを目指すのがいいが、大事なことを忘れてはいたのではないか。W杯で勝利より重要なことなどない。ザックジャパンの選手たちはどこか遠くを見ているようで、コートジボワールのことを見ていただろうか。

 気付いたら追い詰められていた。そして負けた。今のところ現実を見ているのは本田だけだ。チームとして夢の世界から帰ってこなければ、ギリシャ戦も危うい。

【了】

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