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ドイツメディアが見た日本。「アフリカ人は引いた。ザックジャパンは前に行く必要があった」。勝敗分けた“目覚めさせる人”

text by 本田千尋 photo by Getty Images

明暗を分けたのは、スタイルを呼び起こす「Wachmacher」の存在

 続いてKickerは本田圭佑のゴール、ドログバの投入、そしてコートジボワールの逆転に触れて、最後に「Japan kann nicht auf Offensive umschalten(日本は攻撃へと切り替えることが出来ない)」という項目を持ってくる。

 その中では、「アフリカ人たちが引くことができた状況ではザッケローニの11人は出て行かなければならなかった」、「『Samurai bulue(サムライ・ブルー)』は、それによってコートジボワールのディフェンスがぐらついて過ちを余儀なくさせるようなプレスを構築することができなかった」。

 そして「攻撃に関して日本の引いた状態を通して、コートジボワールにとって勝利を無事に持ってくることは難しくはなかった」といったことが記されている。

 またSportBildは、「日本代表は最低限の目標である準々決勝へと向かう始めの一歩を土砂降りのレシフェの中で失う」とする。

 本田のゴールがW杯で自身3ゴール目となり、日本代表のW杯の戦いの中で最多得点記録となることや、先発に名を連ねた長谷部誠、岡崎慎司、内田篤人、大迫勇也の4名がブンデスリーガの選手たちであることも紹介されるが、記事の主役はあくまでドログバだった。

 SportBildは記す。「Wachmacher(目覚めさせる人)としての老いたスター、ディディエ・ドログバによってコートジボワールはブラジルW杯での躓いたスタートを未然に防いだ」。

 Kicker、SportBild両電子版の記事を見ると、コートジボワール代表にあって日本代表になかったものは、そのスタイルを呼び起こす「Wachmacher」の存在だったのかもしれない。

【了】

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