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日本代表戦で恒例となった“渋谷ハイタッチ”。痴漢も発生する迷惑行為は今すぐ自制せよ

text by 植田路生 photo by Getty Images

誰かれ構わずハイタッチしていいわけではない

 日本代表戦というある種“お祭り”のような日にテンションが高くなるのは分かる。仲間と語り合い、酒を飲みながら試合を観戦する。大いに結構だ。パブリックビューイングではそこにいる人々と思いを共有することで、赤の他人とも抱き合い、語り合うこともあるだろう。だが、そこで留めるべきだ。

 当日の渋谷には、仕事に向かう人もいただろう。サッカーとは無関係に友達と待ち合わせの人もいただろう。サッカーファンでも、負けた試合の日はそっとしておいて欲しい人もいたはずだ。

 そんな日に渋谷にいる方が悪い? バカを言ってはいけない。なぜ迷惑集団のために予定を変更しなくてはならないのだ。

 自分たちと意識を共有していない人々を無闇に巻き込んではいけない。自分が楽しいと感じていることが、相手もそうだとは限らない。当たり前のことだ。

 ギリシャ戦は平日の午前7時キックオフ、9時には試合が終わる。そのとき、渋谷にどのような人々がいるか、今まで“渋谷ハイタッチ”経験者は想像力を働かせて欲しい。自分がハイタッチされる側になったとき考えれば、そこまで難しいことではない。

 朝早く起きて仕事に向かう、学校に向かう。その時、見ず知らずの人に突然ハイタッチを求められたら……。恐らく戸惑うはずだ。

 サッカーファンも社会の一員だ。何ら特別ではない。本当に日本代表を応援する気持ちがあるなら、自分たちの迷惑行為が日本代表の価値を貶めることがあるということを忘れてはならない。

 20日朝、ギリシャ戦。誇りを持って応援しよう。愚者になってはいけない。

【了】

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