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10番としての責任、そして挫折。香川が感じた本当のトップとの差。「もっと厳しい環境で勝ち取るしかない」

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「10番としてこの結果を受け止めないといけない」

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香川は「自分は10番としてこの結果を受け止めないといけない」と語る【写真:Getty Images】

 ユナイテッドでルーニーやファン・ペルシーとともにプレーしている香川には「自分がスーパーな選手ではない」という思いがつねにあった。だからこそ、日本代表で戦う時は組織力で補っていかなければならないという考えが強かった。

 ただ、最終的にはそういう世界トップに個人それぞれが近づいていかなければ勝ちきれないことを、彼はブラジルの地で再認識したようだ。

「個人個人が海外に出てやっていることは日本にとって素晴らしいこと。だけど、代表として戦う時に、ルーニーやファン・ペルシーがいるわけでもない。それをどう補うか。僕たちはチーム全体でそれを補うために攻守において連動してやってきましたし、スペシャルな選手をすぐに作るのは不可能。

 ただ、それに近い個の力をもっと求めていかないといけない。コートジボワールもドログバやヤヤ・トゥーレなんか、いるだけで雰囲気や存在感をすごく感じた。日本は攻守においてまだまだそういうチームにはなれていないと思う。

 1人1人見たら良い選手はいるかもしれないけど、本当のトッププレーヤー、相手に脅威を与えられる選手、チームの雰囲気を変えられる選手という部分で、世界の強豪とやった時に差が出てしまっている。

 そこをつかみ取るには1人1人がもっと厳しい環境、所属クラブで勝ち取っていくしかないのかなと。自分は10番としてこの結果を受け止めないといけない。しっかり自分の中で整理して、前を向いてやっていくしかないと思います」

 かつてないほど大きな挫折に直面した香川だが、彼はまだ次を狙える若さだ。ここからどこまで個人として飛躍できるかが勝負になってくる。この悔しい経験を無駄にしてほしくない。

【了】

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