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日本代表、4年後へ向けた3つの課題。「自分たちのサッカー」「戦術理解度」「無意味な親善試合」

text by 植田路生 photo by Getty Images , Asuka Kudo / Football Channel

まったく厳しくないアジア予選

 親善試合をすることに、スポンサーからの要求はほとんどないことがわかる。海外で試合をすればすべて解決というわけではないが、国内にやる気のないチームを呼ぶよりはいい。

 2つ目は、海外組を無理に招集しないこと。ザッケローニ監督はクラブチームのようにメンバーを固定し、組織力を高めようとしたが、やはり弊害は大きかった。これは親善試合に限らないが、国内での試合のために長距離移動を強いられ、コンディションが悪化。主力の何人かはクラブで試合に出られなくなり、パフォーマンスが落ち、代表にも影響するという悪循環に陥った。

 国内の試合は国内組中心で問題ない。アジア予選が厳しいと言うのはTV局くらいで、これほど楽な予選はない。加えて、国内組が国際試合を経験することで、選手層は厚くなる。例えば柿谷曜一朗のようなヒーローが生まれれば、Jリーグへの人気還元も図れる。

 3つ目は、真剣勝負の場を増やすこと。コパ・アメリカ2015への不参加は極めて残念だが(国内組中心のチームでも派遣すべきだった)、北中米カリブ海サッカー連盟が主催するゴールドカップには参加できるかもしれない(過去に韓国が二度参加したことがある)。

「本番は違いました」が、敗戦の弁になってはいけない。経験が足りないなら無理にでも経験を積むしかない。アジアで“勉強”する時期はとうに過ぎた。

 以上、3つの課題を述べたが、選手・監督の努力だけでどうにかなるものではない。現場の導き手となる協会の力も問われている。日本サッカー協会はどのようにブラジルでの惨敗を分析するのか。それが4年後に大きな影響を及ぼすことは間違いない。

【了】

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