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日本代表・惨敗の内実【その3】選手に飽きられてしまったザック。大久保電撃招聘の是非

ブラジルW杯に臨んだ日本代表はグループリーグで敗退してしまった。「自分たちのサッカー」は実践できず、事前に指摘されていた欠点ばかりが目立つ大会になってしまったが、コンディショニングやキャンプ地の選定に問題はなかったのであろうか。GL敗退直後、今大会を現地取材した4人のライターが、徹底討論した。

text by 中山佑輔 photo by Getty Images

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直前にメンバー入りした“異分子”大久保嘉人

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直前にメンバー入りした大久保嘉人【写真:Getty Images】

清水 大久保の是非はどうですか。彼が入ってだいぶ変わりましたよね。良いのか悪いのか。

飯尾 そうなんですよ。なんだかんだで、今大会の日本代表で得点の可能性を最も感じさせたのが大久保なのは間違いないんだけど、その一方で、元々あった代表チームを――。

 ある意味壊してしまった。

飯尾 壊したというと、言葉が悪いかもしれないけど、ザッケローニのチームでは、とにかく異分子だったと思うんですよね。

河治 異分子だったと思いますよ、それは。

飯尾 清水さんどう思いますか、大久保。

清水 難しいですね。でも、コロンビア戦では、今までになかったパターンがでましたよね。今までは1トップがあれほど動くことはなかった。サイドまで流れるし、中盤にも下りてくるし。あれは効果的だった。ただ、今までに見たことないパターンだった。

河治 そうですね。コートジボワール戦で大迫が1トップだった時に、基本ずっと前に張り続けて、ポストを狙っていたんだけど、相手にそれを狙い撃ちされて、カットされて、結局下りてきてしまった。

ボールに触っているから、大迫はちゃんとポストプレーをしているように見えた人がいるかもしれないですけど、全く別です。一見収まっているようで、結局(大事なところに)食い込めていない。でも大久保は、もう最初からそんなことお構いなしに動き回ることによって、日本の別の特徴をすごく出していた。

清水 別ですよね。

河治 それが周りにとってどうだったのか、相手は怖かったと思うんですけど。

飯尾 大久保は、一ヶ月しかやっていないから、別に戦術とかも聞いていない、みたいな感じで、良い意味で開き直っていたことが相手にとっては脅威だった。でも柿谷や大迫は2列目を生かすことを気にしていた。

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