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Jリーグ 8年前

Jリーグ改革初年度の課題と収穫とは? 疑問残る2ステージの意義と微調整のCS

text by 藤江直人 photo by Asuka Kudo / Football Channel , Getty Images

CSは90分で決着に変更。延長戦、PK戦は廃止

1年でCSのレギュレーションを変更したJリーグ。“微調整”は改革の第一歩か
チャンピオンシップを制した、年間勝点1位のサンフレッチェ広島【写真:Getty Images】

 今回の微調整により、チャンピオンシップへの出場クラブ数もわかりやすくなった。年間総合勝ち点の上位3クラブと両ステージ優勝クラブが完全に重複していると「3」、ひとつが重複していると「4」、重複なしならば「5」となる。

 今シーズンは両ステージ優勝クラブが重複したために「3」となる。年間総合勝ち点2位のレッズと同3位のガンバが準決勝を戦い、勝者が同1位のサンフレッチェに挑む。

 結果として同じ組み合わせとなったが、決定までのプロセスが劇的に簡素化された意義を村井チェアマンはこう強調する。

「左(ホーム)に行くか右(アウェイ)に行くかわからないといった、複雑怪奇なものに比べると非常にシンプルになりました。この試合で勝ったらあそこだよね、ここで勝てばホームだよなという仮説がグッと絞られましたので、休みの日程をファンやサポーターの方々が確保する、あるいは宿泊先のホテルを仮予約するといった選択肢は、比較的考えやすくなるかと思っています」

 微調整の一環では、チャンピオンシップの1回戦と準決勝で90分間を終えて同点の場合、今シーズンは延長戦とPK戦で決着をつけた規定を「年間総合勝ち点の上位クラブの勝ち上がり」と変更した。

 ホーム&アウェイ方式で争われる決勝に関しては、アウェイゴールを尊重しながら、第2戦を終えて合計スコアとアウェイゴール数のすべてが並んだ場合は年間総合勝ち点の上位クラブの優勝と変更した。

 サンフレッチェが敵地万博で3対2の逆転勝利を収めた今シーズンに照らし合わせれば、第2戦でガンバが3対2で勝利したときに限って延長戦を、それでも決着がつかない場合はPK戦で年間王者を決めるレギュレーションとなっていた。

 肉体的にも精神的にも選手たちに負担をかける延長戦とPK戦を廃止した背景には、物理的な理由から来シーズンも1回戦から決勝第2戦まで過密日程を余儀なくされるなかで、ベストのパフォーマンスを発揮してほしいという配慮なのだろう。最終的な日程は、年明けの13日に発表される予定だ。

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