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香川真司 8年前

「今後を左右する」香川の集中は極限に。その存在を再び証明へ、覚悟を込めた同点弾

text by 本田千尋 photo by Getty Images

不要な2失点が招いたシーソーゲーム

 前半は、5-3-2で引いたブレーメンに対して、ドルトムントが3バック+2シャドーで臨む。2シャドーでロイスとコンビを組んだのは、香川ではなくムヒタリヤンだった。

 粘るブレーメンに、ドルトムントは苦しんだ。ロイスとムヒタリヤンの2シャドーには、ガルベスやシュテルンベルグが、DFラインから飛び出しつつ丁寧に対応する。

 ロイスへの縦パスを狙って、カウンターを仕掛ける。前半のシュート数は、ブレーメンが1本に対してドルトムントが13本と圧倒したが、BVBがゴールを割ることは出来なかった。

 ドルトムントが先制したのは、ようやく53分のことだ。ムヒタリヤンからのスルーパスに、抜け出したオーバメヤンがループを決める。1-0。

 失点後にブレーメンは徐々に間延びし、次第にドルトムントが押し込むようになる。CBのベンダーがボールを持ち上がって、ロイスに縦パスを送る。そのままBVBがゲームを支配する。

 そんな流れの矢先、ブレーメンに追い付かれてしまう。69分、左CKのクリアをガルベスがシュートを打つ。カストロの足に当たったボールは、ゴールに吸い込まれる。1-1。

 香川の投入を前後して、劇的なシーソーゲームが始まる。しかしBVBがブレーメンに与えた2失点は、不要なものだったのではないだろうか。監督トゥヘルは「(試合を)全くもってそんなにエキサイティングにする必要はなかった」と振り返る。

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