フォルランが日本で覚えた違和感。選手たちのパッション不足。ACL軽視への疑問【フットボールと言葉】

2016年07月08日(Fri)10時00分配信

シリーズ:フットボールと言葉
text by 竹澤哲 photo Getty Images
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J2の舞台で見せたゴラッソ

ジェフ千葉戦では2ゴールを決めたフォルラン
ジェフ千葉戦では2ゴールを決めたフォルラン【写真:Getty Images】

 試合が終わり、セレッソサポーターの下へ向かったフォルランに対し、「ディエゴ、ディエゴ」の大声援が飛んだ。フォルランはうれしそうに手を上げて応えた。

 試合後のミックスゾーンで取材を受けたフォルラン自身も、「あのゴールはチームを発憤させるためにも重要だった」と振り返っている。左サイド後方にいた長谷川アーリアジャスールが右サイド前方にいたフォルランへ出したロングパスを前に走りながら、身体の後ろで受けながらも、すばやくシュートして決めた。まさにゴラッソといえる素晴らしいものだった。

 そのゴールについて記者から「後ろからパスを受け、うまくボールをコントロールしたようにも見えなかった。ゴールの位置もよくわかっていなかったのでは」という質問に対して、フォルランは少しムキになったような口調で、「ゴールの位置は常に頭に入れている。私のフットボールキャリアを通じてゴールの位置を頭に入れないでプレーしたことなど一度もない。そのことはとても重要なことだ。ボールを私の身体の前に持ってくることを意識してトラップした。キーパーが前に少し出てくるのが見えたから、キーパーの届かないファーポストを狙ったんだ」と解説した。

 2点目は山口蛍からのスピードのあるパスをゴール前でうまく合わせた。これも素晴らしいゴールだった。しかし後ろからの難しいボールを前に運びながら、瞬時にキーパーの位置を確かめて放った1点目のシュートは見事というしかない。さすがフォルランと言える、スーパーゴールだった。

 バスに乗り込もうとするフォルランに、「1点目の方が気に入っていますか?」と尋ねると、逆に「君は?」と尋ねられた。私がうなずくのを見ると、「みんなもそう思っているだろう。うれしいよ」と笑顔を見せた。

 6月22日、関西空港には百人ほどのサポーターがディエゴを送りに来ていた。

 前日に行われた退団セレモニーにもたくさんの人がスタジアムに集まり、フォルランに別れを告げた。一時は、「大金を費やしたのに活躍もしなかった。金を返せ」などという心ないサポーターからの批判もあったが、しかし真摯にフットボールに向き合うフォルランの姿は少なからず理解されたようだった。

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