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日本代表 8年前

手倉森Jのシナリオ崩したミスの連発。追いかける展開で必要だった「ボールを奪う守備」【西部の目/リオ五輪サッカー】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

戦術的な上積みを求めるなら、ボールを奪う守備

興梠
前線でうまくボールを引出していた興梠慎三【写真:Getty Images】

 戦術的な上積みを求めるなら、ボールを奪う守備になる。ハーフウェイラインで待ち受ける守備は機能していた。ラインコントロールでコンパクトなブロックを作り、ナイジェリアの攻め手を縦への浮き球に絞り込めていた。ラインコントロールで藤春が遅れ気味ではあったが、そこは修正可能だろう。ただ、日本が追いかける展開において、待ち受け守備だけでは厳しかった。敵陣に踏み込んでプレッシャーをかけていく守備が足りなかった。

 縦パスのミスも多かった。ナイジェリアがさほど前からプレスしてきたわけでもないので、パスミスが続いてリズムに乗り切れなかったのはもったいない。

 攻撃では興梠の数秒のタメが効いていて、間延びせずに良い距離感を作れている。大島、南野が絡んだときのコンビネーション、SBのオーバーラップ、浅野を投入してからのスピーディーな攻め込みなど、多くのチャンスを作れていた。

 全体的には良いプレーができていて、やれることはやっている。それでも勝てなかったのはナイジェリアが強かったのか、それとも日本が想定したより五輪はずっとハイレベルなのか、次戦以降にはっきりしてくるのではないか。

(文:西部謙司)

【了】

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