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日本代表 8年前

日本、勝点3逃すも内容は改善。前回大会よりも高い完成度。4-4-2の理想的なバランス【西部の目/リオ五輪サッカー】

現地時間7日、リオ五輪グループステージ第2節のU-23コロンビア戦に臨んだU-23日本代表。4得点を奪うも5失点を喫し黒星スタートとなった初戦から、システムを変更し、内容は大幅な改善が見られた。勝てる試合で引き分けに終わってしまったことは残念だが、他力本願とはいえまだ決勝トーナメント進出の可能性は残っている。(文:西部謙司)

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

本来なら勝てる内容のゲーム

ボールを動かして攻撃のリズムを作った大島僚太(右)
ボールを動かして攻撃のリズムを作った大島僚太(右)【写真:Getty Images】

 コロンビア戦は、緒戦のナイジェリア戦よりも良い内容だった。コロンビアもナイジェリアほどの迫力はなかった。日本は緒戦も良かったが、さらに良くなった。一方で、ミスから失点するところも変わらず。相手もミスはしているので決定力の差とも言えるが、藤春のオウンゴールは事故みたいなものである。

 本来なら勝てる内容のゲームを引き分けてしまったのは残念だが、チームとしての組織力ではコロンビアを上回っていて、スウェーデン戦も良いプレーが期待できそうだ。

 ナイジェリア戦ではハーフウェイラインから相手陣内での守備が不足していたが、コロンビア戦は4-4-2に変えたこともあって敵陣でボールを狩りに行く守備ができていた。プレスで奪いきれないときは素早くリトリート、その際には遠藤と井手口のボランチが圧倒的な運動量で支えになっていた。

 柔らかいポストプレーができる興梠とスピードのある浅野、2トップの組み合わせも機能的。藤春、室屋のオーバーラップも強力、4-4-2としては理想的なバランスに仕上がっている。

 欲を言えばもう少し展開力がほしいと思っていたところで、大島と南野を投入して一気に流れを引き寄せた采配も当たった。その時点で1点をリードしていたコロンビアは日本の交代後に2-0とリードを広げ、引いて逃げ切り体勢になっていた。

 しかし、FWはカウンター狙いなのか戻りが遅く、大島はフリーでパスを受けられた。ボールの動かし方が抜群の大島を起点に2点を返し、ロスタイムには南野のピンポイントパスで浅野がGKと1対1になる決定機も作れていた。前半はプレスからのショートカウン ター、後半の2人替えからはポゼッションによる包囲攻撃と幅のあるプレーをみせた。

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