岡田Jが土壇場の方向転換で得たW杯16強。弱点の露呈。成果を問えなかった「日本化」【西部の4-4-2戦術アナライズ】

2016年10月13日(Thu)10時19分配信

シリーズ:西部の4-4-2戦術アナライズ
text by 西部謙司 photo Getty Images
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ザッケローニ監督時代に繋がった「日本化」

急遽1トップに入り、ボールを収め続けた本田圭佑
急遽1トップに入り、ボールを収め続けた本田圭佑【写真:Getty Images】

 南アフリカ大会の攻撃は、クリアボールを1トップの本田圭佑が何とか収めて押し上げを待つか、両サイドの大久保、松井が援護のないままドリブルで行けるところまで行ってファウルをもらうという形が多く、厚みを欠いていたが、個々の能力を発揮してフィニッシュまで持って行けていた。お家芸のセットプレーの威力もあった。

 グループリーグを突破した日本は、パラグアイに延長の末PK戦で敗れた。当初、岡田監督が掲げていたベスト4には及ばなかったが、ベスト16はそこまでの経緯を考えれば大きな成果である。岡田はいわば「撤退戦」の名手で、横浜F・マリノスを率いていたときも現実路線に転換してから本領を発揮している。高い理想を掲げているときよりも、旗を降ろしてからのほうが強い。

 ワールドカップでのベスト16は、2002年のフィリップ・トルシエ監督が率いたとき以来の2回目。どちらも快挙である。ただ、いずれも消化不良な感じは残った。守備は良かったけれども、攻撃面でもう少し良さを発揮できたのではないかという疑問である。

 後任の監督には、いずれも攻撃力アップが期待されることになった。岡田の後任となったザッケローニは、結果的に岡田が方針を転換する前の戦術を踏襲したといえる。「日本化」の流れはつながっていた。前任者のやり残した仕事を、ザッケローニ監督は進化させた。

 また、「すでにある日本サッカー」を尊重した最初の監督でもあった。ザッケローニも自分のアイデアを導入しているが、「ザッケローニ化」はしなかった。ただ、日本の弱点もそのまま引き継いでしまい、最終的に大きなツケを払うことになる。

(文:西部謙司)

【了】

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