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Jリーグ 7年前

松本山雅・飯田真輝が辿った成長の軌跡。“都落ち”からの飛躍。PO敗退も物語は第二章へ【The Turning Point】

シリーズ:The Turning Point text by 海江田哲朗 photo by Getty Images

パフォーマンスを高める、他者からの信頼

2015年には松本山雅FCのキャプテンとしてJ1での戦いに挑んだ
2015年には松本山雅FCのキャプテンとしてJ1での戦いに挑んだ【写真:Getty Images】

 松本は大きく翼を広げ、躍進した。JFLからJ2、そして2015年にはついにJ1へ。ステップアップするごとに、ホームスタジアムのアルウィンは迫力を増していく。いまや松本市のシンボルに挙げられ、近年の日本サッカーで際立つ成功例のひとつとなった。

 飛躍的に発展し、存在感を増していく松本山雅。飯田はその中心にいた。持ち前の空中戦の強さ、パワフルなディフェンスに磨きをかけ、がっしりした身体にみるみるうちに中身が詰まってきた。

「やるしかなかったんです。マツさん(松田直樹、2011年8月4日逝去)から受けた影響は大きいですね。不幸な出来事があり、J2に行くぞと焚きつけていた人がいなくなった。誰よりもサッカーがしたくて、戦いたかったのに戦えなくなった人がいる。サポーターの期待は大きく、結果を出さなければいけない。がんばるしかなかった」(飯田)

 人は、他者から信用され、頼られることでパフォーマンスを最大化すると言われる。飯田を最終ラインの軸として動かさず、腕章を託した反町康治監督のマネジメントの巧妙さがここにあるのだろう。

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