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Jリーグ 7年前

FC東京・徳永悠平、ルヴァン杯で放ったいぶし銀の存在感。背番号変更に込められた思い

text by 藤江直人 photo by Getty Images

「まずはピッチのうえで貢献したい」(徳永悠平)

 ベガルタ戦では流通経済大学柏高校から加入して3年目の左サイドバック、小川諒也が21歳以下の「若手育成枠」として先発フル出場。後半16分からはFC東京U‐18から昇格して2年目の19歳、柳貴博が右MFとしてトップチームでデビューを果たし、システムも3‐4‐2‐1に変更された。

 柳は昨シーズンからJ3に参戦しているU‐23チームで、右サイドバックおよびセンターバックで経験を積んできた。特に前者で勝負したいと抱負を語るホープは日々の練習や試合で、同じポジションの大先輩である徳永の一挙手一投足を脳裏に焼きつけてきた。

「徳永さんが何度もアップダウンして攻撃に参加して、守備でも1対1の部分で負けないところを見てきました。目標とする選手ですし、学ぶことが本当にたくさんありました。少しでも早く近づいて、いつかは追い越せるように頑張っていきたい」

 昨シーズンまでの羽生のような存在感を放ちつつある徳永は、柳の投入とともに3バックの右に移行。キャプテンの森重真人、今シーズン初出場の吉本一謙とともにベガルタを零封している。

 そして攻撃陣は、徳永のアシストによる阿部の先制弾を皮切りに大量6ゴールをゲット。11日のJ1でガンバ大阪に完封負けを喫し、連勝を止められた嫌なムードを完全に払しょくし、ホームに川崎フロンターレを迎える18日の「多摩川クラシコ」へ大きな弾みをつけた。

「自分の考えとしては、まずはピッチのうえで貢献したいという気持ちがあります。ただ、試合に出られないとき、あるいは先発ではないときにもやれることはあると思うので、そこでの立ち居振る舞いや日ごろの練習をしっかりやっていくことが大事だと思っています」

 胸のすくような快勝劇に貢献しても、徳永が見すえる視線は変わらない。FW大久保嘉人をはじめとする5人の日本代表経験者に昨シーズンの得点王、ピーター・ウタカまで加入。15歳のFW久保建英をはじめとする2種登録選手10人を含めて、21歳以下の若手を実に19人も擁する新生・FC東京を、いぶし銀の輝きを放つベテランがしっかりと縁の下から支えている。

(取材・文:藤江直人)

【了】

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