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Jリーグ 7年前

磐田が見出した活路。G大阪戦3-0勝利という果実。引き出された前線2人の潜在能力

text by 青木務 photo by Getty Images

川辺が明かした監督とのやり取り。指揮官からの信頼

ジュビロ磐田のMF川辺駿。まさにチームの主軸となっている
ジュビロ磐田のMF川辺駿。まさにチームの主軸となっている【写真:Getty Images】

 守備が機能したことが歓喜に繋がり、川又とアダイウトンの『個』も際立った試合でもう一人、忘れてはならない選手がいる。川辺駿である。

 名波監督からムサエフと共にこの試合のキーマンに指名されていた21歳は、G大阪の攻撃を遅らせ、ボールを刈り取り、セカンドボールも迅速に回収するなど確実に仕事を遂行した。相手ゴール前へ侵入した際はヒールで流し、味方のシュートを演出するなど随所にアイディアを発揮した

 磐田は【3-4-2-1】の布陣で完封したが、川辺は名波監督との間であるやり取りがあったことを明かす。

「(試合前日の)フォーメーション練習の時に名波さんから「やってみてどう? やりづらさはないか?」って聞かれて、確認した中で2シャドーになった。信頼してもらっているなと感じたし、チームの結果で示さないといけないと思っていたので、それができて良かった」

 サンフレッチェ広島からの期限付き移籍も3年目を迎えた川辺は、今や『名波ジュビロ』で不可欠な存在だ。チームにはパフォーマンスが結果に直結する選手が何人かいるが、背番号40もその一人だろう。契約の関係で出場できなかった広島戦以外、今シーズンは全試合スタメン出場中だ。このことからも指揮官からの信頼の大きさがうかがえる。

 川辺の言葉に耳を傾けると、やはりこのホームゲームは相手のミスを待つだけの戦いではなかったことがわかる。

「自分たちの前に(ボールホルダーが)いる時は、下がるんじゃなくて少しでもプレスに行って相手に自由にさせないようにと思っていた。何本かサイドチェンジされて、そういうところではもう少し行きたい部分はあったけど、ただ出て行って間を使われるのも嫌だった。出た後も素早く戻って、また出て行くということを繰り返した」

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