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Jリーグ 7年前

新生マリノス、“勝利の方程式”。J1連続フル出場新記録の鉄人、中澤佑二が語る「最適解」

横浜F・マリノスが不気味な存在感を放ち始めた。4シーズンぶりの5連勝をマークし、暫定5位でターンしたJ1戦線で、前半を耐え忍びながらスコアレスで折り返し、相手のプレッシャーが弱まる後半にゴールネットを揺らす、2017シーズン版の「勝利の方程式」を確立した。1日の大宮アルディージャ戦で、フィールドプレーヤーでは歴代最長となる140試合連続の先発フル出場を達成した39歳の大ベテラン、元日本代表のDF中澤佑二に進化しつつある新生・マリノスの現在地を聞いた。(取材・文:藤江直人)

text by 藤江直人 photo by Getty Images

先制した試合では10勝2分けと不敗

大宮戦で連続フル試合記録を「140」に伸ばし、単独歴代トップに立った中澤佑二
大宮戦で連続フル試合記録を「140」に伸ばし、単独歴代トップに立った中澤佑二【写真:Getty Images】

 長丁場のJ1戦線を暫定5位で折り返した横浜F・マリノスに、2017シーズン版の「勝利の方程式」が生まれつつある。前半戦の17試合を終えて勝ち点32を積み重ねているが、先制した試合では10勝2分けと、浦和レッズを下した2月25日の開幕戦から「不敗」を継続している。

 連続フル出場試合記録を「140」に伸ばし、フィールドプレーヤーでは歴代トップに立った元日本代表の中澤佑二、オーストラリア代表のミロシュ・デゲネクが組むリーグ屈指の高さと強さを誇るセンターバックは、新チームが始動したときからチームの生命線でもあった。

 先制すれば優位に立つことはいわば青写真通りだが、6月以降になると試合展開にも“ある傾向”が鮮明になってくる。現在は4シーズンぶりとなる5連勝を継続中だが、前半をスコアレスで折り返し、後半に得点を奪って逃げ切るパターンを直近の4試合で続けている。

 たとえば敵地・NACK5スタジアム大宮に乗り込んだ、1日の大宮アルディージャとの第17節。前半は相手のプレッシャーの速さに苦しめられ、放ったシュート数はわずか2本に終わった。それでも動じず、アルディージャのシュートもエース・江坂任の1本だけに封じる。

 迎えた後半14分。自陣のゴール前から中澤が放った縦パスともクリアともいえるボールを、FWウーゴ・ヴィエイラが相手と競り合いながら巧みに体を反転させて支配下に置く。すかさず左前方のスペースへ走り込んでいたMFマルティノスへパスを通して、電光石火のカウンターを発動させる。

 北中米カリブ海連盟(CONCACAF)の大陸選手権、ゴールドカップに初めて臨むキュラソー代表に選出されたため、アルディージャ戦を最後に一時離脱する26歳のドリブラーはそのまま相手ゴール前へ突き進み、利き足とは逆の右足で先制ゴールを突き刺した。

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