「困難の中にも可能性がある」窮地で奮い立つ闘将
シメオネは常に可能性を信じ続け戦う【写真:Getty Images】
「ただ、とても困難であるだけなのに、なぜ不可能と言い切れるのか私には分からない。困難の中にも可能性があることを認めるべきなのだ(『信念』より引用)
これは、低迷するラシン・クルブから2度目の監督就任オファーを受けた際に、思いとどまることを勧めた周囲の人々に向けて放った言葉である。
シメオネは自身について「ぬるま湯に浸っていれば悶々としてしまう人間だ」と『信念』で語っている。このようなシメオネの性分について、玉乃氏は「教祖とか、神の領域に入りそうなくらい(笑)、彼は『信じる力』というのが凄まじい」と感嘆。
「今までのアトレティコの歴史を振り返ると、チャンピオンズ(リーグ)決勝に出て、レアルを倒すという発想すら、僕らにはなかったわけですよ。でも、彼は本気で、アトレティコが弱い時から、絶対そうなるということを信じてやまなかった。そういうところは、嘘でもいいから、そういう気持ちというのは持ちたいなと考えさせられました(玉乃淳氏)」
危機的な状況を学び場とし、ぬるま湯に浸かることを嫌う。わずかであっても可能性を信じ、確信へと変えてしまうシメオネの“信念”。そんな信念を持ってすれば、サッカーだけでなく人生も、高いインテンシティーで“プレー”できるのかもしれない。
【了】