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Jリーグ 7年前

大島僚太の急激な進化。中村憲剛が日本代表復帰に太鼓判、川崎Fの背番号10

優勝戦線への生き残りをかけた大一番で、川崎フロンターレのMF大島僚太が眩い存在感を放った。14戦連続負けなしの横浜F・マリノスを等々力陸上競技場に迎えた9日の明治安田生命J1リーグ第25節で、開始14分に今シーズン初ゴールとなる先制弾を一閃。守っても献身的で、球際も激しい守備で3‐0の完封勝利に貢献した。ハリルジャパンから遠ざかること約1年。怖さを増す「10番」に、大黒柱のMF中村憲剛は「得点力がついてくれば、普通に代表でやれる」と太鼓判を押した。(取材・文:藤江直人)

text by 藤江直人 photo by Getty Images

いぶし銀の輝き放った「球際の強さ」

川崎フロンターレのMF大島僚太。横浜F・マリノス戦では先制ゴールを決めた
川崎フロンターレのMF大島僚太。横浜F・マリノス戦では先制ゴールを決めた【写真:Getty Images】

 ピンチになりかけると、いつも川崎フロンターレの「10番」が戻ってきた。横浜F・マリノスの生命線となる両翼、齋藤学とマルティノスを何度止めたことか。それでも、照れ臭そうに大島僚太は謙遜する。

「ほとんど相手がコントロールミスをしたところを奪ったので。ただ、ああいう場面で抜かれないことは大事。スカウティングでも、相手の特徴はサイドの2人だとわかっていたので。ディフェンスラインの負担が少しでも減れば、という思いで全員に戻る意識が強くあったと思います」

 後半5分にはDFエウシーニョと挟み撃ちするかたちで、マルティノスからボールを奪った。3分後には自陣からカウンターを仕掛けた齋藤から、わずかながらボールが離れた瞬間に狙いを定めてかっさらった。

 圧巻のシーンは同20分。カウンターを発動させたマルティノスから縦パスを受けたワントップのウーゴ・ヴィエイラが、対峙するDF谷口彰悟とDF奈良竜樹をフェイントで振り切ろうとした直後だった。

 ヴィエイラが旋回する方向を予測していたかのように、猛然とプレスバックしてきた大島が体を入れるようにしてカット。そのまま反転して、MF家長昭博へカウンター返しとなる縦パスを繰り出した。

 14戦連続で負けなしだったマリノスを、ホームの等々力陸上競技場に迎えた9日の明治安田生命J1リーグ第25節。上位戦線への生き残りをかけた大一番で、大島の球際の強さがいぶし銀の輝きを放った。

「どちらかと言うと相手のスピードを遅らせて味方が戻る時間を作る、という守り方をいまはやっているので。チームの誰かが戻ればと思っていたなかで、たまたま僕のところに来たので、ボールを取れたという感じですね。ボランチのどちらかがカバーしよう、というかたちでやっていたので」

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