大久保嘉人の回想。日本代表、W杯での成功と失敗。過去2大会の対照的な経験

2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会と2度のW杯本大会を経験し、日本代表の成功と失敗を身をもって体験した大久保嘉人。11月6日発売の『フットボール批評issue18』では『日本代表「W杯勝利学」』という特集で、現在FC東京でプレーする元W杯戦士へのインタビューを敢行。世界の舞台で勝敗を分ける要因は何であるかについて自身の経験から語ってもらった。今回はその一端を紹介する。(取材・文:加部究)

2017年11月09日(Thu)10時19分配信

text by 加部究 photo Shinya Tanaka, Getty Images
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大会前に蔓延した不安感。選手ミーティングで定められた方向性

インタビュー取材に応じてくれたFC東京の大久保嘉人
インタビュー取材に応じてくれたFC東京の大久保嘉人【写真:田中伸弥】

 世界の大舞台が近づく度に、大久保嘉人の名前がメディアを賑わせた。2度の五輪でオーバーエイジ枠として浮上し、2014年ブラジルワールドカップでは土壇場でサプライズ招集を受けた。つまり大久保が、過去十年間以上に渡り、替えの効かないタレントだったことの証とも言える。

「昔はボールを持ったら仕掛ける。それしか考えていなかった。でもマジョルカ時代に壁にぶつかり、このままじゃいけないと凄く感じました。そこからは自分で突破をするケースとパスで味方を使うケースを分けるようになった。プレースタイルが変わりました」

 2003年にジーコ体制の日本代表に抜擢された大久保は、コンフェデレーションズカップへの出場も果たし、順調にキャリアを重ねていた。だがスペインに渡り、2シーズン目に入ると出場機会が減り、2006年ドイツワールドカップへの出場を逃してしまう。

「2010年南アフリカ大会は、ワールドカップに出場するラストチャンスだと思いました。だから絶対に逃したくなかった」

 ワールドカップは小学生時代から夢見て来た舞台だった。

「2009年にヴォルフスブルグに移籍し、チームは優勝しました。でも全然出番がなくて、これじゃワールドカップに出られないと、帰国する(神戸)ことにしたんです」

 しかし南ア大会を目指す岡田武史監督が指揮する日本代表は、まったく結果が出せず、本大会を前に選手間にも不安が広がっていた。

「もうこのままではダメだね」

 誰からともなく言葉の輪が広がり、直前合宿の地スイス・ザースフェーで選手だけのミーティングが開かれた。

「勝てなくてチームもバラバラでした。今までのやり方を貫こうという声もありました。でも実際にそれで勝てていなかった。だったら変えようぜ、と。みんなの総意を(川口)能活さんや(中澤)佑二さんに託して、岡田監督に言いに行ってもらったんです」

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