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強豪国に勝つために、日本が目指すべきスタイル。「風間理論」で今こそ考えたいポゼッション

text by 西部謙司 photo by Getty Images

攻撃強化と守備強化のどちらが日本に向いているか

日本代表
11月の親善試合で日本代表はブラジル代表に1-3で敗れた【写真:Getty Images】

 2017年の日本はブラジルに対して敵陣の半分からプレスをかけ、守備ブロックで迎撃するつもりだった。しかし、20分も経過しないうちに2失点した。強豪国にボールを持たせてしまえば、当然自陣で守らなければならない時間が増える。2012年のフランス戦ではたまたま無失点に抑えられたが、2017年のブラジル戦のようになる可能性のほうがむしろ高いわけだ。

 強豪国を相手に失点を減らすためには、守備力を上げるよりも相手の攻撃回数を減らしてしまったほうがいいというのが風間監督の「70~80%」の理由である。

 一方、守備力を上げるという選択肢もあるとは思う。強豪国を自陣に引き込んでもそう簡単にチャンスは作らせないし失点もしない。その守備力があれば、カウンターアタックで得点を狙える。2012年ブラジル戦での「崩せない」という課題に向き合わないですむ。

 つまり、攻撃強化と守備強化のどちらが日本に向いているかという選択になるだろうか。

 もちろん強豪国にも失点しない守備力と、逆に引かれても崩して点をとれる攻撃力を兼ね備えているのが理想だが、そこまでになれば日本は強豪国に勝てるかどうかではなくワールドカップの優勝候補である。

 それ以前に、強豪に何とか勝利できるレベルへ到達するにはどうすればいいか、守備力も攻撃力も足りない現状でどちらを優先すべきか、どちらの道に可能性があるかを考えなければならない。

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