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香川真司 6年前

香川真司が振るった攻撃のタクト。ドルト、“新布陣”で “DNA”復活の兆し

12月7日、UEFAチャンピオンズリーグ・グループステージ第6節が行われ、香川真司の所属するボルシア・ドルトムントは同大会2連覇中のレアル・マドリーに挑み、2-3で敗れた。結果として敗戦となってしまったものの、BVBは3-4-3の新布陣で奮闘。不振からの脱却へ、光がさしてきたかもしれない。(文:本田千尋)

text by 本田千尋 photo by Getty Images

早々に2失点を喫してしまったドルト

ドルトムントのMF香川真司
ドルトムントのMF香川真司【写真:Getty Images】

 何も掴めなかったのだろうか。12月6日、チャンピオンズリーグのグループH第6戦を戦うために、サンティアゴ・ベルナベウへと乗り込んだボルシア・ドルトムント。対レアル・マドリー戦で、ピーター・ボス監督が選んだ布陣は[3-4-3]だ。

 4日前のレバークーゼン戦を1-1のドローに持ち込んだ“新布陣”。前試合とは変わって、右のウイングバックにはCBが本職のマルク・バルトラを配置し、ダブルボランチにはヌリ・シャヒンと並んで8番タイプのマハムート・ダフートを起用。

 比重をやや後ろに置きながらも、攻撃に転じることを忘れたわけではない、そんな指揮官の姿勢が垣間見える。香川真司は先発出場。クリスティアン・プリシッチと並んで、2シャドーの左に入った。

 レアルがボールを持つと、左右両ウイングバックがDFラインまで下がり、2シャドーもダブルボランチの両脇に下がることで、[5-4-1]の守備組織を整えたドルトムント。慎重にゲームを運ぼうとしたその矢先、8分に先制点を奪われてしまう。

 左サイドからクリスティアーノ・ロナウドがカットインして突き進むと、ペナルティエリアの中へパス。走り込んだイスコが触って落としたボールを、ボルハ・マジョラルに詰められる。その4分後にはロナウドにミドルシュートを突き刺され、早くも2失点目。15分も経たないうちに、敗色のムードが漂う。

 だがBVBは、そのまま引き下がらなかった。20分が過ぎてしばらくすると、アウェイチームがボールを回して攻め始める。25分には、香川が左サイドを上がるラファエル・ゲレイロにパスを送る。

 ゴール前へ走り込むピエール=エメリク・オーバメヤンに、ポルトガル代表SBがダイレクトで折り返して、あわやのチャンスを演出。プリシッチは持ち味のドリブルで仕掛けていく傾向があったため、実質的には香川1人が10番として攻撃のタクトを振るった。

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