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ハリル氏が貫いた日本愛。協会批判するも熊本思い、日本代表を応援

text by 編集部 photo by Editorial Staff

ヴァイッド・ハリルホジッチ
ヴァイッド・ハリルホジッチ氏【写真:編集部】

 日本代表前監督のヴァイッド・ハリルホジッチ氏は27日、記者会見を開いた。ロシアワールドカップまであと2ヶ月という時期での電撃解任に「敬意がない」と怒りを爆発させる一方で、「私は永遠に日本のサポーター」と、穏やかな表情を見せる場面も時折みられている。

 ハリルホジッチ氏の怒りは明らかだった。日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長は「コミュニケーションの不足」や「選手との信頼関係が薄れた」ことを解任の理由に挙げていた。

 だがハリルホジッチ氏は心当たりがなく、選手たちとは頻繁に連絡を取っていたことを主張。「コミュニケーションというのはあまりに広い意味すぎて、具体的に誰・どういうことと教えてもらいたい」と困惑している。一部から不満が出ていることは認識していたが、「感謝しているというメッセージを15人ほどが送ってきている」事実を前に、とうてい納得はいかない様子だった。

 協会の稚拙な対応に対する不満に熱が入るハリルホジッチ氏だったが、質疑応答の中でワールドカップで日本を応援するかと問われると、「私は永遠に日本のサポーターだ」と返答。「日本代表、スタッフ、多くの選手たちとすごく心が通っていると信じている」とやわらかい表情をのぞかせた。

 さらに、次の質問に移ることを許さず、「個人的なメッセージになるが許してほしい」と切り出すと、「熊本県にも個人的に感謝したい」とハリルホジッチ氏。2016年に熊本地震の被災地を訪問したこともあり、「熊本から多くのメッセージをもらった」そうで「次回は観光客として足を運ぶ」と約束している。

 ハリルホジッチ氏が話し続けた約90分間の会見。その最後に前監督は「日本代表は今すごく窮地に陥っている」「どうか彼らに準備の時間を与えてほしい。日本には良い試合、良いワールドカップにしてほしいと思う」とチームを気遣った。

 田嶋会長の主張と食い違う部分もあったハリルホジッチ氏の会見だが、日本への愛情に疑いはなかった。その愛情を貫いてきただけに、日本人らしい礼節を欠いたJFAの電撃解任には、大きな失望があったのかもしれない。

【了】

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