フットボールチャンネル

日本代表 6年前

日本代表の新戦術、3バックの取扱説明書。西野監督が仕込む「オプション」の真意

text by 河治良幸 photo by Getty Images

ガーナ戦でテストへ。W杯本番でのオプションになるか

長友佑都 酒井宏樹
3バックでは長友佑都(左)や酒井宏樹(右)らウィングバックの存在が重要になる【写真:Getty Images】

[3-4-2-1]のカギを握るのは左右のウィングバックだ。3バックがどういう高さの時にどこにポジションを取り、攻守に絡んでいくのか。1トップと2シャドー、ボランチが中央にいるため、相手のディフェンスが中に引きつけられることも多くなり、そこでタイミングよく前のスペースを突ければ大きなチャンスになるが、そのタイミングを誤ればピンチに直結する。

 右サイドは酒井宏樹と原口元気がレギュラーを争うが、押し込まれる時間帯が長くなることを想定すれば酒井宏樹、より高い位置から攻撃力を生かしたい場合は原口という使い分けも可能だ。また酒井宏樹が起用されれば原口をシャドーに回すことで、[5-4-1]の時間が多少長くても耐えられる布陣になる。左は長友佑都がファーストチョイスで、酒井高徳が2番手だ。

「3枚にせよ4枚ににせよ、やり方は違いますけど、(西野監督は)あまりこだわりを持ってやりたくないとは言っていますので、ある意味、1つのオプションとして考えているというのはありました」

 槙野がそう語るように3バックと4バックを併用する戦い方が想定されるし、3バックの中央が長谷部誠であれば状況に応じて彼をアンカーに上げて[4-3-3]にすることも可能だ。前体制から継承できるところはたくさんあると指揮官は選手に伝えており、いつでも4バックに立ち戻ることはできる。だからこそ西野監督は短い準備期間の中でも新しいことにトライしているのだろう。

 対戦相手もいる中で、絵に描いたように新しいシステムを機能させることは簡単ではないが、[3-4-2-1]が「新しい体制の中でのゲームを見せよう」と語る西野監督の意気込みに適したプランであることは確かで、まずはガーナ戦でどこまで機能させられるのか、そこから何を見出せるかが注目される。

(取材・文:河治良幸)

【了】

ハリル
ハリル氏「最悪の悪夢」。日本代表監督解任にショック隠せず
ヴァイッド・ハリルホジッチ日本代表前監督は27日、都内で記者会見を行った。
ハリル
ハリル氏、香川と本田に言及? W杯出場決めた豪州戦で出番なしに「2人の選手ががっかりしていた」
ロシアワールドカップ・アジア最終予選について語り始めたハリルホジッチ氏。オーストラリアに勝利し、本大会の出場権を獲得したハリルジャパン。この試合の後について同氏はこう話している。
ハリル
ハリル氏、槙野智章からのメッセージを明かす『JFAの決定に落胆』『コミュニケーションに問題なかった』
『選手たちとの信頼関係の薄れ』が解任の一因となったが、これについてハリルホジッチ氏は疑問を口にした。
ハリル
ハリルホジッチ解任記事まとめ
日本サッカー協会(JFA)は9日、日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督解任を発表した。これを受け、報じられたハリル氏や選手の反応をまとめた。

 

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top