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本田圭佑こそ日本が誇る最大の武器。偶然でない勝負強さ、技術や理屈を超えた命がけの迫力【西部の目/ロシアW杯】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

特筆すべき勝負どころの集中力

 アタッカーとして日本人ばなれしている。日本選手の弱点であるフィジカルコンタクトはむしろ本田の長所だ。キックのパワーと精度も日本人よりヨーロッパの選手に近い。メンタルの強さも特筆すべきだろう。

 一方、本田は特別に敏捷ではない。そのぶん体の使い方の上手さや強さでカバーしている。年齢的に少しキレが落ちてきたせいか、ぎりぎり足を伸ばして倒れながらパスをするケースが増えてきた。ただ、もともと速さがないぶん体に無理をさせるプレースタイルではあった。

 このパスを通せばチャンスになる、ここで打てればゴールになる、そういうときの本田は身を投げ出しながらキックをしっかり完了させる。だから勝負どころで強い。たんにキックが上手いだけでなく、無理な体勢でも何とかしてしまう。キックだけでなくヘディングも同じで、勝負どころでの集中力は抜群だ。ここという場面で結果を叩き出してきた経験と自信は日本代表でも随一だろう。

【次ページ】先制点の男
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