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日本代表 6年前

岡崎慎司、ゴールを追い続ける求道者の復活へ。今こそ呼び覚ますべき、点取り屋としての本能【ロシアW杯】

text by 元川悦子 photo by Getty Images

4年前、希望の光をもたらした岡崎

 そしてもう1人、岡崎慎司という勝負強い男がいる。カザン入り後、4日連続で全体練習に合流できず、浅野拓磨とのメンバー変更も十分あり得ると見られたが、西野監督は最後の最後まで彼にこだわった。それも国際Aマッチ113試合出場50ゴールという偉大な実績と、2010年南アフリカ、2014年ブラジル両ワールドカップでの連続ゴールという決定力を備えた男へ絶対的な信頼を寄せているからに他ならない。

「メンバーに入った時から信頼してくれているのに、ここでヘタるわけにはいかないっていう思いがある」とコロンビア戦前日練習を終えた後、岡崎はしみじみと語り、3度目の大舞台を真っ直ぐに見据えていた。

 公開された15分間には走りやジャンプ、ボールコントロールを全てこなし、「明日やれと言われてできないのならメンバーに入っていない」と本人も断言したほど。もちろんまだ両足に違和感は多少なりともあるはずだが、そういう時でも勇敢にピッチに立って、戦い抜き、目に見える結果を出してしまうのが、この男の凄さなのだ。

 4年前のコロンビア戦(クイアバ)でも、今野泰幸が献上したPKをファン・クアドラードに決められ、前半から絶望的ムードが漂ったチームに、希望の光をもたらしたのが岡崎だった。本田の右クロスに得意の泥臭いヘッドで決めた一撃がなければ、日本はもっと悲惨な負け方をしていたかもしれない。

【次ページ】日本に不可欠な存在

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