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日本代表 6年前

香川真司、今こそ「新たな10番像」の確立へ。迎える大一番、盟友に証明したい成長した姿【ロシアW杯】

text by 元川悦子 photo by Getty Images

求められる香川の役割

香川真司
香川真司は盟友・レバンドフスキの目の前でゴールを奪えるか【写真:Getty Images】

 とりわけ、相手エースFWのロベルト・レバンドフスキ封じは日本が勝ち上がるための絶対条件。今大会はまだ無得点で、本人もボールが来ないことを嘆いているようだが、「世界屈指のストライカー(レバンドフスキ)も『何としてもゴール』と考える強いポーランドが明日はいる」と西野監督も警戒心を募らせている。

 かつてボルシア・ドルトムントでタテ関係を形成し、お互いにゴールを量産した香川真司も「ウイークポイントはあまりない」と苦笑いしていた。それでも「この2試合で見せたように1人ひとりがつねにアグレッシブに前への意識を持ちながらチームとして連動したら、そう簡単に崩せない。自分たちもそういう自信を得ている」と組織で十分対抗できると考えている様子だ。相手エースを苛立たせるような戦いができれば、日本は勝利に大きく近づく。香川にはそのけん引役になってもらう必要がある。

 コロンビア戦とセネガル戦の背番号10はいずれもトップ下で先発し、前者は70分、後者は72分間プレー。走行距離はそれぞれ7・910㎞、8.411㎞とかなり精力的に走っていた。得点自体はコロンビア戦の先制PKのみだが、ペナルティエリア内に侵入しようという姿勢が色濃く感じられ、前線からの献身的な守備も光っていた。その流れを次戦も維持し、よりゴール前に飛び込んでいく回数を増やせれば、自ずと得点にも近づいていく。

 ポーランドの最終ラインはミハウ・パズダンやチアゴ・チョネクらが軸を担うと見られるが、強さやパワーに秀でている分、俊敏さに劣るところがある。そこは香川が大いに発揮できるところ。創造性と意外性でDFにとってつかみにくいポジション取りを心がけていけば、必ずゴールチャンスは訪れるはず。そこを貪欲に狙っていくべきだ。

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