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代表 6年前

スアレスをも封印。若きフランス、熟成の背景。泥にまみれたポグバの献身と躍動のエース【ロシアW杯】

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

エゴを捨てたポグバ。黒子に徹して支える

フランス代表
黒子としてチームを支えるポグバ(左)と輝きを放ったグリーズマン(右)【写真:Getty Images】

 そして、この試合で最も輝きを放ったのがトップ下のグリーズマンだった。グリーズマンは走行距離でカンテの10.47kmに次ぐ10.27kmを記録するなど広いエリアをカバーした。守備面では両チームトップとなる9回のタックルを繰り出して高い貢献度を示し、攻撃面でも6本のクロスに3本の決定的なパスを出してFKからヴァランの先制点をアシストし、61分にはぶれ球のシュートで2点目を奪った。

 グリーズマンが躍動する背景には、センターFWのジルーの存在がある。この試合でも空中戦を7回制するなど、ポストプレーでの強さを発揮した。ジルーにボールが収まることでシンプルかつ鋭い攻撃が可能となり、前線でボールキープすることでグリーズマンがプレーするためのスペースを生み出している。

 そして何より、今大会のフランスが攻守に安定した戦いを続けている要因には、ポグバの献身性がある。ポグバは中盤の選手といえど、本来はダブルボランチなどの「底」に位置するポジションではなく、センターハーフやインサイドハーフなど、より攻撃的なタスクを担うべき選手である。

 所属するマンチェスター・ユナイテッドも4-2-3-1を主としており、ダブルボランチとして起用されるが、ユベントス時代のインパクトを残しているとはいえず批判の対象となることも多い。それでも今回のウルグアイ戦でも相手を潰しにいく姿勢を強く出しており、大会を通して泥にまみれるようなプレーで黒子に徹してチームを支えている。

 平均年齢26歳の若いチームながら、戦術的にも高いレベルを持ち、選手個々もエゴを捨ててバランス良く融合する。デシャン監督に率いられた若くとも熟成されたチームがどこまで突き進むのか。

 次戦は日本戦の窮地を抜け、ブラジルをも撃破したベルギー。ワールドカップ史に残る激闘の予感は漂っている。

(文:海老沢純一)

【了】

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