ビルドアップを捨ててウルグアイの奇襲を無効化
平均年齢26歳。これは、今大会に出場する32カ国中、2番目に若い年齢である。若さは時に爆発力を帯び、時に脆さも見せる。しかし、この2番目に若いフランス代表は、年齢を感じさせない熟成さを見せている。
準々決勝の相手ウルグアイは、平均年齢28.1歳で32カ国中ちょうど真ん中の16位。脂の乗ったチームであり、CBを組むゴディンは32歳でヒメネスは23歳。バランスの良いコンビとなっており、何より世界最強の守備力を持つアトレティコ・マドリーでもコンビを組むだけに、若きフランスにとっては最も相性の悪いチームかと思われた。
試合の立ち上がり、ウルグアイは前線からプレスを仕掛けてショートカウンターを狙った。ここまでの試合では後方にブロックを作る、ロングカウンターで勝利を手にしてきたが、フランスのCBウンティティとヴァランのビルドアップを封じると同時に、この“奇襲”によって先制点を狙った。
4分には、セカンドボールを拾ったヴァランのパスをウルグアイのトップ下、ベンタンクールがカットすることでチャンスを作り出した。
一方で、このウルグアイのプランに対してフランスも手を打つ。ビルドアップ時にGKは主にロングフィードを蹴り、CBの2人もボールを持った際にはDFラインでパス回しをせずにシンプルに中盤のカンテとポグバに出す形に変更した。
フランスのCBコンビのパス本数を見ると、ボール支配率62.6%ながらウンティティが22本でヴァランが35本。アルゼンチンとの1回戦では、支配率39.8%でウンティティが44本を出し、ヴァランが36本を出している。この試合でフランスは、DFラインからのビルドアップを捨ててウルグアイのハイプレスを無効化した。