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Jリーグ 5年前

2003年Jリーグ。岡田マリノスが劇的完全制覇。オシム氏が来日、中村憲剛もプロ入り【Jリーグ平成全史(11)】

シリーズ:Jリーグ平成全史 text by 編集部 photo by Getty Images

優勝争い

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2003年Jリーグ結果

 横浜F・マリノスは岡田武史監督が就任。ブラジル代表で世界最高の右サイドバックと呼ばれたカフーの加入も決まっていたが、実現はせず。それでも、日本代表の久保竜彦、ユ・サンチョル、マルキーニョスなどを獲得。充実の戦力を整えた。

 中澤佑二、松田直樹のセンターバックコンビはJ最強で、マルキーニョスと久保の2トップも強力。優れた「個」を岡田監督が束ね、堅守を生かした組織的な戦いで順調に勝ち点を積み重ねていった。1stステージは前年度に完全優勝を果たしたジュビロ磐田とデッドヒートを繰り広げながら、勝ち点1差で上回りステージ優勝を掴んだ。

 2ndステージはさらに混戦となった。第14節を終えて首位に立っていたのは磐田。2ポイント差で鹿島、3ポイント差で横浜FMと市原が追いかける状況だ。数字上、ステージ制覇の可能性があったのはこの4チームで、最終節は横浜FMと磐田が直接対決するスケジュールだった。

 磐田は開始2分にグラウのゴールで先制し、優勝を手繰り寄せる。他会場では鹿島も先にスコアを動かして磐田の背中を見失わない。横浜FMが絶体絶命の状況に置かれたのが15分。GK榎本哲也がパントキックしようとすると、グラウに当たってボールがゴールへ向かう。これでスコアが動いたわけではないが、グラウの振る舞いに怒った榎本が一直線に駆け寄って体当たり。この行為で榎本はレッドカードを提示され、横浜FMは10人での戦いを余儀なくされた。

 それでも50分、セットプレーから最後はマルキーニョスがねじ込んで同点。その後も数的不利の横浜FMが攻撃を仕掛ける。磐田もグラウが決定機を迎えるも、ポストに阻まれゴールならず。そして1-1のまま試合は後半終盤へ。89分、横浜FMはゴールキックからのリスタートを中盤で松田が中継、前に蹴り出す。これに走りこんだのは久保。相手DFとほぼ同時に飛ぶと、ドラゴンが制空権を掌握しヘディングシュートを放つ。これが決まって土壇場で勝ち越しに成功した。

 そして、浦和対鹿島。鹿島は2点を先行しながら1点を返される。2-1のままでも良かったが、最後の最後に同点とされ優勝がこぼれ落ちた。この結果、横浜FMが2ndステージ制覇。最後は3チームが勝ち点で並んだが、得失点差で横浜FMが上に立ち完全制覇を成し遂げたのだった。

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