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2018年Jリーグ。ジョーにイニエスタにトーレス…世界屈指の名手が続々参戦、日本代表はW杯で大健闘【Jリーグ平成全史(26)】

シリーズ:Jリーグ平成全史 text by 編集部 photo by Getty Images

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この年、名古屋にジョー、神戸にイニエスタ、鳥栖にF・トーレスが加わることになった【写真:Getty Images】

 この年、Jリーグには多くの大物選手がやってきた。名古屋グランパスは1月、コリンチャンスよりセレソンとして2014年ブラジルワールドカップにも出場した経験を持つFWジョーの獲得を発表。移籍金は約15億円、年棒はおよそ4億円と報道されており、日本中がこのビッグネームの獲得に驚いた。そんなジョーは、開幕戦から桁違いの強さと高さを生かしてゴールを量産。結果、Jリーグ参戦1年目で得点王を獲得し、チームの残留に大きく貢献するなど、さっそく実力を見せつけた。

 しかしそんなジョーを上回る大物選手が5月、日本にやってきた。スペイン代表としてワールドカップ制覇、バルセロナで数多くのタイトルを獲得してきた世界最高のMFアンドレス・イニエスタだ。同選手は5月、ヴィッセル神戸と正式に契約を結び、ロシアW杯後にチームへ合流。デビューとなったのは7月22日、第17節の湘南ベルマーレ戦であり、スタジアムに足を運んだ多くの観客から盛大な歓声で迎えられた。試合には敗れたものの、随所で異次元のプレーを発揮するなど、世界レベルの技術を披露した。さらにイニエスタはJリーグ参戦3試合目となるジュビロ磐田戦で移籍後初ゴールをマーク。ルーカス・ポドルスキからのパスを受けた同選手は華麗なターンで相手DFを交わし、最後はGKも躱してゴールネットを揺らした。

 7月にはイニエスタと同じくスペイン代表で活躍し、アトレティコ・マドリーやリバプールなど数多くのビッグクラブでプレーしたフェルナンド・トーレスがサガン鳥栖に加入することが発表された。背番号9をつけた同選手は8月22日の天皇杯4回戦、対神戸戦で移籍後初ゴールをマーク。シーズン終盤にはキャプテンも託されるなど中心としてチームを牽引し、見事鳥栖を残留に導いている。

 またこの年、最もし烈な戦いとなったのがJ1残留争いである。結果的にV・ファーレン長崎、柏レイソルの2クラブが自動降格となったが、前者は勝ち点「30」、後者は勝ち点「39」を稼いでいる。さらに12位の横浜F・マリノスから16位のジュビロ磐田までが勝ち点「41」で並ぶなど、最後の最後まで目が離せないハイレベルな残留争いとなった。

 さらに明治安田生命J1リーグ第33節、清水エスパルス対ヴィッセル神戸の一戦はJリーグ史上例を見ない大混戦となった。2-3で神戸リードのまま迎えた後半AT、提示された時間は「4分」だった。しかし清水に負傷者が2人も出るなど、試合時間はどんどん伸びていき、なんとATは13分に突入。ここでGK六反勇治がゴールを決め、3-3に追いついた清水。試合はそこで終わるかに思われたが、笛は鳴らない。苛立ちを隠せなくなった両者。AT14分にはウェリントンが石毛秀樹にファウルしイエローカードが提示されたが、怒りを抑えられないブラジル人FWが抗議を続けるなど、試合は荒れ模様に。その直後には止めに入った六反がウェリントンに投げ飛ばされるなど、両チームのコーチやスタッフまで入り混じる乱闘騒ぎに発展。結果、ATは「19分」にまで延長されるなど、後味の悪い試合になってしまったのだ。

 J2で大健闘を見せたのがFC町田ゼルビアであった。同クラブはシーズン通して安定した戦いぶりを見せ、最終的に勝ち点「76」を稼ぎ、J2リーグを4位でフィニッシュ。J1ライセンスを所持していなかったため、J1参入プレーオフへの進出は叶わなかったが、クラブ史上最高成績を収めることに成功した。

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