マリノスはなぜ「完敗」を繰り返してしまうのか。セレッソ戦で顔を出した慢心、貫くべきこだわり

2019年05月16日(Thu)11時00分配信

text by 舩木渉 photo Getty Images
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データが示す2つの試合の違い

奥埜
奥野博亮は横浜F・マリノス戦での狙いを丁寧に説明してくれた【写真:Getty Images】

 GKのパク・イルギュも最後方からマリノスのちぐはぐさを感じていた。

「(中盤から)下りてきて(パスを)受けたんだけども、結局前との距離が空いてしまって、前に入れられるんですけど、入れたところで孤立している。それだったらもうちょっと後ろで回しながら押し上げていこうという意図があったと思うんですけど。そこにもうちょっと早く気づいて、下ろすんじゃなくて、自分含めたセンターラインがもっと高い位置を取ってからやれればよかったんですけど、ちょっと前が下りてきすぎちゃって、後ろが重くなってしまって。これが前にパワーを持っていけなかった要因だったと思います」

 そして「良くも悪くも鹿島戦で先制されながらも後半で逆転できちゃったのが、変にみんなイメージがついちゃっているから、そのままやれば点を取れるだろうと思っていたのでは」と、チーム全体から感じた問題点も指摘する。「前半のうちに追いつけるタイミングがあったら追いついていく、逆転できるタイミングがあるなら逆転していくという強い気持ちをもって、もうちょっとゴールを取りにいく姿勢を出していかないと、こういうゲームになってしまう」のである。

 データもセレッソ戦と鹿島アントラーズ戦、同様に先制された試合ではあったが、それぞれのコントラストをよく示している。

 セレッソ戦で生まれたパスの受け手と出し手の関係を分析すると、最多は「喜田→チアゴ・マルチンス」の24本、それに「チアゴ・マルチンス→畠中」の22本、「畠中→和田」「チアゴ・マルチンス→喜田」の21本、「和田→畠中」の17本、「畠中→天野」の16本と続いていく。

 喜田が後半途中から選手交代に伴って右サイドバックに入った影響があるとはいえ、ここに出てくる選手たちの位置関係を考えればディフェンスライン近くでの横パスやバックパスが多かったことは容易に想像がつく。

 一方、鹿島戦はまた違った傾向が見えてくる。同じデータで最多は「畠中→和田」の22本、さらに「畠中→喜田」の21本、「喜田→畠中」「畠中→天野」の20本、「和田→天野」の19本、「和田→遠藤渓太」の18本となっている。

 ここから読み取れるのは最終ラインから中盤へ前向きのパスが多かったこと、また左サイドバックを経由して中盤やウィングに展開できていたことだ。バックパスもそれなりにあったが、「畠中→遠藤」が15本、「天野→遠藤」「遠藤→天野」が14本を記録していたことも考慮すると、中盤よりも前へスムーズにボールを運べていたことがわかる。

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