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日本代表 5年前

冨安健洋に期待するバージョンアップ。「より攻撃に関われる」3バックでのチャレンジと課題

text by 河治良幸 photo by Getty Images

新しいシステムへのチャレンジ

 当然ながら森保監督は状況に応じてあらかじめ5枚にしてしまい、ブロックを作って守る形も想定しているはずだが、まずは3バックにおける攻撃面のアドバンテージや前からボールを取りに行く戦い方を植え付けておいて、そこから相手との力関係や状況を見ながら5枚にする段階をイメージして指導しているのかもしれない。

 実際、9月からスタートするアジア予選では日本がボールを握って押し込む時間帯が長くなると予想できるので、今から格上の相手をリスペクトした様な形を教え込むメリットよりデメリットの方が強いと考えているのかもしれない。

「森保さんはどちらかというと僕らのプレーをして、相手が合わせてくるのを今は求めてますけど、それができない相手ももちろんいますし、それっていうのはまたその時に対応すればいいとおもう。今はどちらかというと相手よりは新しいシステムへのチャレンジだし、共通理解を求めているとは思います」

 そう語る冨安は昨年のトゥーロン国際でポルトガル戦の前半に5バックで下がる状態で入った時に、そのまま押し込まれた展開があった。「後半にトリニダード戦でやったような押し出す形にして逆転で勝ったんですけど、齊藤(俊秀)コーチからトリニダード戦の前にそうやっていいよと言われた」と語る。

 相手が強豪であっても、5枚で引きっぱなしにすると守備のリスクはコントロールできても、相手にペースを握られてズルズルと行ってしまうこともある。

 ウィングバックの位置によって攻守の振り幅の大きい3バックを使う場合、そうした攻守のバランスを常に意識して試合をしていかないと、自分たちから試合の主導権を放棄してしまうリスクもある。言い換えると4バックよりその点は伸びしろがあるかもしれない。

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