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Jリーグ 2年前

まさに悪循環…。浦和レッズに希望はあるか? 落ち着きを失った鹿島アントラーズ戦、残された課題は…【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「強度が足りなかったし…」



「強度が足りなかったし、ポジショニングもよくなかった。セカンドボールも鹿島に行ってしまった。非常に強い強度の流れからのプレーを見せた鹿島を称えたい」とショルツは話したが、そういう基準に合わせ、超えていくことが彼らの課題と言っていい。

 インテンシティやデュエルを引き上げ、試合開始から互角の展開に持ち込めないとACL出場権はもちろんのこと、タイトルは手にできない。現状の厳しさを再認識させられたこの日の前半45分間だったのではないか。

 戦術家のリカルド監督は巻き返しを図るべく、後半頭からユンカーに代えて小泉佳穂を投入。汰木康也と大久保智明も交代して修正を図った。それでもすぐには流れを引き戻せなかったが、後半の飲水タイム前後から攻め込む時間帯が増えていく。関根貴大が負傷した後、興梠慎三、槙野智章が登場した終盤はなりふり構わずゴールを奪いに行く泥臭い姿勢も見て取れた。

「レッズはACLの大舞台に戻らなきゃいけない」と槙野も口癖のように話していたが、それを果たそうと思うなら、1点のビハインドを跳ねのけ、同点、逆転に持ち込むしかない……。そんな悲壮感も彼らベテランからは感じられた。

 だが、鹿島の堅守は最後まで崩れなかった。

「後半のラスト20分くらいうまく相手にボールを運ばれたが、粘り強く持ちこたえられたかなと。前のメンバーを代えて少し押し返すことができ、相手の時間を減らせた」と相馬監督は采配的中に自信をのぞかせている。ラストの時間帯は犬飼智也も送り込んで5バック気味にして、虎の子の1点を守り抜いた。その気迫こそが常勝軍団の意地なのかもしれない。

 結果としてリカルド体制1年目の浦和は3位・神戸に8ポイント差をつけられ、ACL争いから後退してしまった。

 ただ、浦和にはまだACLの可能性が皆無というわけではない。

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