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Jリーグ 2年前

「意味がない」前線からプレスとは? 川崎フロンターレが築く堅守。「跳ね返せる自信」はどのように生まれるのか?【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

名古屋グランパスの攻撃を「跳ね返せる自信」



「こういうセットプレーで絶対にやらせるなということは自分も含めて周りに強く意識づけさせたかったですし、ピッチ内でもいろんな選手が声をかけていた。そういういい声が出ているのもみんなが集中している証拠だった。中にボールを入れられる回数は多かったですけど、しっかり跳ね返せる自信はありました」

 キャプテンは堂々と言い切った。やはり守備が安定している時の川崎は強い。今回のクリーンシートは、1対1で負けない、隙を作らない、ボールを奪えるいい距離感を保つといった彼らの強みを最大限発揮した結果と言っていいはずだ。

 加えて言うと、この白星は2020年11月18日の横浜FM戦から続くホーム25試合無敗というJリーグタイ記録。早ければ4月2日のセレッソ大阪戦で新記録を樹立することになる。かつて中村憲剛も「等々力には神様がいる」と言っていたが、偉大な先人の思いを受け継ぐ谷口も「何が何でも勝たないといけないスタジアムにしたい」と強調。今季も等々力劇場での快進撃を続けていくことを改めて誓った。

 不安視されていた守備改善の目処が立った今、いかにしてゴールを量産していくかがが川崎のここからの焦点だ。レアンドロ・ダミアンという大砲、老獪な家長昭博という計算できる存在はいるが、脇坂やチャナティップらももっと結果にこだわる必要がある。どこからでも点が取れるチームになれれば、3連覇も見えてくる。今回の名古屋戦が浮上の大きなきっかけになりそうだ。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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