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Jリーグ 2年前

下位低迷、名古屋グランパスに何が起きているのか? 3バック変更、得点力不足。長谷川健太監督の見解、復調のカギは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

長谷川健太監督はチーム状況をどう見ているのか?

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【写真:Getty Images】



 この直後にレオ・シルバと相馬が下がり、長澤和輝と森下龍矢が登場。サイドアタックを強化したことが奏功し、森下のクロスから左サイドの吉田が強烈シュートを浴びせるという後半21分の決定機につながる。

 さらに彼らは柿谷と交代した金崎夢生が推進力をもたらし、貪欲にゴールに迫ったが、これもまた相手の堅守に封じられる。終盤には途中出場の阿部浩之の相次ぐCKで相手ゴールを脅かしたが、どうしても1点が遠い。結局、試合は0-0。スウォヴィクとランゲラックの両GKを中心に守備力の高さばかりが目につく内容となった。

 ただ、3バック移行後は3戦1失点、直近のリーグ戦は連続0-0という結果を、長谷川監督はポジティブに捉えているようだ。

「3バックを始めて3試合目。もっと連動性を上げていく必要がある。これで1点が入れば展開が変わる。ホントにチャンスがないなら考えなければいけないが、チャンスはあった。それを決めきることだと思う」と勝ち点3に近づいているという見解を示した。

 しかしながら、名古屋のJ1総得点は7。リーグ4位タイの少なさだ。ここまで9試合の得点を見ると、阿部、マテウス・カストロ、仙頭、稲垣が1点ずつで、それ以外はオウンゴールだ。2トップに陣取る人間で点を取っているのがマテウス・カストロだけというのは心もとない。長谷川監督の期待が大きい酒井がここ2戦を欠場し、虫垂炎の影響などで出遅れた柿谷、復調傾向の金崎らの結果が求められるところだが、現時点では成果が出ていない。

「前線の選手が点を取らないと勝てない」とFC東京の永井もコメントしていたが、それは名古屋にも共通すること。いかにして得点力をアップしていくのか。それが、暫定12位という苦境を打開するための最重要テーマと言っていい。

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