フットボールチャンネル

マスカット監督「90%は自分たちのサッカーをどうやっていくか」。では、横浜F・マリノスにとって「残り10%」は?【ACL】

text by 編集部 photo by Wataru Funaki

横浜F・マリノス 最新ニュース

ケヴィン・マスカット
【写真:舩木渉】



ケヴィン・マスカット監督が語る「自分たちのサッカー」

 横浜F・マリノスは22日にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ第3節でシドニーFCと対戦する。



【今シーズンのJリーグはDAZNで!
いつでもどこでも簡単視聴】


 前節の全北現代モータース戦を0-1で落としたマリノスは、現在1勝1敗のグループ2位につけている。今大会は出場クラブ数が増えた影響で、各グループの1位にならなければ決勝トーナメント進出が確約されない。

 だからこそ、1位争いのライバルになるであろう全北現代を相手に敗れたのは痛かった。ここからは1つの負けも許されない戦いになる。しかし、マリノスを率いるケヴィン・マスカット監督は試合に対するアプローチを変えるつもりはないようだ。

「相手どうこうよりも、90%は自分たちのサッカーをどうやっていくかだ。我々のサッカーは決して簡単ではない。本当に難しいサッカーを求めているし、日本とは違った地でやっていくにあたって、コンディションや気候に違いがある中で、より難しさがあると思う。だが、まずは自分たちのサッカーをどれだけ表現していくかが本当に大事になる」

 自分たちの哲学に基づいた戦い方を貫くことが「90%」だとすれば、残りの「10%」は一体何だろうか。例えば、ACLにおいては確実に勝ち点を積み上げていくための現実的な戦い方が「10%」に含まれるのだろうか。

 否。マスカット監督の考えは全く違った。

「残り10%は、相手の分析がほとんどになる。相手の強みや、どういうチームと戦うのかという状況をチームとして共有することは必要だ。だが、自分たちが相手に合わせることはまずない。ない中でも、やはり選手の特徴を知ることはすごく重要だと思っている」

 結局のところ、残り「10%」も「90%」を占める「自分たちのサッカー」を体現するための土台作りに他ならない。相手を知った上で、それに対して自分たちのやり方をどうぶつけていくかを考える。それが「10%」に込められた意味だった。

 シドニーFCとはグループステージ第3節と第4節で連戦になる。よく知る母国のクラブとの決戦を前に、マスカット監督は次のように語った。

「シドニーFCの特徴を選手たちに共有したうえで、自分たちがそこで何をしなければいけないのかが大事になってくる。明日の試合(シドニーFC戦)だけではなく、自分たちはコントロールできる部分とコントロールできない部分がどこにあるのかに重きを置いているんだ。

相手が明日、蓋を開けてみたらこれまでと全然違うサッカーをしてくる可能性だってある。もちろん(ACLで対戦した)2年前とは違うサッカーかもしれない。それは蓋を開けてみなければわからないこと。

毎試合に向けたチャレンジは本当にワクワクするし、このコンディションの中でどれだけ自分たちのサッカーができるのかが楽しみ。最後はマリノスのプライドを大事にしてピッチに立っていきたい」

 マスカット監督は「結果」を「コントロールできない部分」に挙げる。一方で「コントロールできる部分」は「自分たちのサッカー」にある。相手が想定外の戦い方をしてきても、いかに自分たちのプレーをコントロールして勝利を手繰り寄せるか。

 歴史とともに磨き上げてきた「マリノスのプライド」をシドニーFC相手にどれほど表現できるか楽しみだ。

(取材・文:舩木渉)

1 2

KANZENからのお知らせ

scroll top