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Jリーグ 2年前

「今までと違う」サンフレッチェ広島のスタイルとは? 新監督の“申し子”、背番号39が躍動する理由【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

躍動する新体制の申し子

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【写真:Getty Images】



 開始14分に浦和・馬渡和彰の直接FKを決められたが、オフサイドで取り消しになる。そういった追い風もあって、広島はそこからグイグイと縦へ仕掛けていった。けん引役となったのが、2列目に入った大卒ルーキー・満田誠。ペナルティエリアやや外側の位置から思い切って放ったミドルが左ポストを叩いた27分の決定機に象徴される通り、神出鬼没な動きとゴールへの貪欲さが大いに光ったのだ。

「人数をかけてサイドと中の選手の意思疎通ができて、いい崩しができた。だからこそ、チャンスも作れたと思います」と今季3ゴール3アシストのキーマンは手ごたえを感じた様子だった。

 確かに今季を見ていると、この背番号39が出番を増やし、目に見える数字を残すとともに、チームも右肩上がりで推移している。

「2トップの選手が攻撃時はしっかりと相手ディフェンスラインを下げてくれるので、自分はドリブルだったり、プレーエリアの確保がしやすくなる。特徴もしっかり出せて、この結果につながっている」

 本人も躍動の理由をこう振り返る。同じ2列目でスタートした森島司も同様だが、以前にも増して前への推進力や迫力が増し、ゴール前で脅威になる場面が増えていた。

 こうして中央のタレントが敵を引き付けてくれる分、サイドも空いてくる。右の藤井智也は明本考浩の背後を突くシーンを何度も見せ、左の柏好文も近年にはなかったイキイキとしたプレーぶりを印象付けた。選手個々の長所を最大限発揮できるような形に持っていけるのが、百戦錬磨の指揮官の力なのだろう。

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