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Jリーグ 2年前

「今までと違う」サンフレッチェ広島のスタイルとは? 新監督の“申し子”、背番号39が躍動する理由【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

サンフレッチェ広島はここから強くなる



 17本対11本とシュート数で上回り、内容面に自信と手ごたえをつかめたからこそ、そういった発言が出たのだろう。攻撃姿勢を鮮明にする今のスタイルを続けていけば、広島はここからかなり強くなりそうだ。

 日本代表の森保一監督が指揮し、2012~2015年に3度のリーグ制覇を達成した時代を彼らが上回っていくためには、やはり確固たる得点源が必要不可欠だ。今季の広島は森島の4ゴールが最高で、売り出し中の満田と柏が3点ずつ挙げているが、ジュニオール・サントスが1点、ベンカリファが無得点とFW陣がやや心もとない。彼らが確実に結果を残し、その背後にいる満田と森島もさらに爆発力を高めていけば、分厚い攻撃のできる集団に変貌できる。対戦相手に脅威を与えられるようになるはずだ。

 攻守の切り替えや強度の部分が確実にアップしているのも前向きな点。試合の終盤、ボランチの野津田岳人が平野祐一に激しくチャージし、イエローをもらったシーンがあったが、以前の彼はそこまでデュエルに行くタイプではなかった。そういう激しさを示さないと試合には出られないのだろう。

 まさに「世界基準」をチーム全体が理解し、体現しつつあるのは大きい。満田のように指揮官の意図を体現できる選手が1人、また1人と増えていけば、総合力が高まり、多様な戦い方もできるようになる。ここからの背番号39と広島の進化が非常に楽しみだ。

(取材・文:元川悦子)

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