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Jリーグ 2年前

大迫勇也が見せる2つの顔。「ずっと痛めている」、満身創痍の男が俯瞰するヴィッセル神戸の今【この男、Jリーグにあり/前編】

シリーズ:この男、Jリーグにあり text by 藤江直人 photo by Getty Images

「ずっと痛めているので。まあ、なかなか治らないですけど」



 20試合を終えた明治安田生命J1リーグで、大迫の出場は15試合に、プレー時間は半分をわずかに超える922分にとどまっている。直近の5試合ではすべてピッチに立ったものの、そのうち4試合は後半途中からの出場だった。

 先発した6月26日の浦和レッズ戦も、後半途中に自ら申し出てピッチを去った。試合も0-1で敗れ、3日後の同29日にミゲル・アンヘル・ロティーナ監督が解任され、強化部スタッフだった吉田氏が通算3度目の監督へ就任していた。

「ずっと痛めているので。まあ、なかなか治らないですけど」

 満身創痍の状態だと大迫は清水戦後に明かした。負傷の連鎖をさかのぼっていくと、3月2日の横浜F・マリノス戦に行き着く。武藤の負傷退場に伴い、前半17分から急きょ出場するも敗れた一戦で、自らも右足に裂傷を負ってしまった。

 続くリーグ戦2試合の欠場を余儀なくされた大迫は、3月15日にホームの神戸市御崎公園球技場で行われた、メルボルン・ビクトリー(オーストラリア)とのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の東地区プレーオフで先発に復帰した。

 実は患部の抜糸をまだ終えていなかった。それでも武藤や藤本憲明ら、フォワード陣で負傷離脱者が相次ぐ苦境でスクランブル先発。延長戦を含めた120分間を戦い抜き、後半には2ゴールをマークして4-3の勝利とACL本戦出場に貢献した。

(取材・文:藤江直人)

【後編に続く】

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