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Jリーグ 2年前

大迫勇也が見せる2つの顔。「ずっと痛めている」、満身創痍の男が俯瞰するヴィッセル神戸の今【この男、Jリーグにあり/前編】

シリーズ:この男、Jリーグにあり text by 藤江直人 photo by Getty Images

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明治安田生命J1リーグ第20節、ヴィッセル神戸対清水エスパルスが6日に行われ、2-1で神戸が勝利した。劇的な決勝ゴールを決めたのは、途中出場していた大迫勇也。怪我を抱えながらプレーし続ける32歳は、熱さと冷静さの2つの顔で、不調にあえぐ神戸を救おうとしている。(取材・文:藤江直人)


大迫勇也が見せる2つの顔

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【写真:Getty Images】

 ピッチの中と外とで、今シーズンの大迫勇也はとりわけ対照的な立ち居振る舞いを見せ続けている。ピッチの中では熱さをほとばしらせ、状況によっては味方を叱咤し、自己犠牲を厭わないプレーを繰り返す。ならば、ピッチの外ではどうか。

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 後半アディショナルタイムに劇的な決勝ゴールを、相手ゴールに背を向けた体勢から左足でのスーパーボレーで叩き込んだ6日の清水エスパルス戦後。勝利の余韻が色濃く残る取材エリアに姿を現した大迫の第一声は「手短かにお願いします」だった。

 ぶっきらぼうに聞こえるメディアとのやり取りは、いまに始まったものではない。プロの第一歩を踏み出した鹿島アントラーズ時代だけでなく、歴代の監督に招集され続けた日本代表での活動期間中を含めて、じょう舌に語るタイプではなかった。

 だからこそ、ピッチの中で感情を露にする姿が余計に異彩を放つ。果たして、コロナ禍が考慮されてしっかりと間隔が設けられた取材エリアで、大迫は5月14日のサガン鳥栖戦以来となる今シーズン2点目をごく短い言葉で振り返った。

「シュートしか考えていなかったので、はい。入ってよかったです」

 ほんの数秒で説明がつくほど簡単なゴールではなかった。ドラマはともに1ゴールずつを取り合ったまま、5分が表示された後半アディショナルタイムの2分に訪れた。

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