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Jリーグ 2年前

乾貴士加入で何が変わったのか? 清水エスパルスで「今の自分にできる部分」、34歳MFの役割と使命【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「今の自分にできる部分」とは?



「俺はサイドで開くことが多いし、そこは監督から言われているところ。自分が受けて起点を作れたら、前の選手を動かしたり、怜音をしっかり使うことを意識していた。それが今の自分にできる部分なので」

 山原との連係はまだ構築し始めたばかりではあるが、2人が絡んだ攻めに対面の長友佑都が苦労する様子が何度も見られた。

「怜音はすごく能力のある選手で、上がりもできますし。守備のところはもうちょっと学んでいかないといけないですけど、現状でも十分できているし、すごくやりやすいですね」と乾自身も手ごたえをつかんだ様子。非常にいい流れの中、前半を0-0で折り返すことができたという。

 迎えた後半13分。清水は右サイドの攻略から均衡を破る。インナーラップした原がヤゴ・ピカチュウから高い位置でパスを受け、マイナスのクロスを入れた瞬間、逆サイドからカルリーリョス・ジュニオが飛び込んできた。背番号10は長友の頭越しに打点の高いヘッドをお見舞いし、ネットを揺らす。前半から繰り返し続けてきたサイドアタックが結実した象徴的なシーンだった。

 劣勢に立たされたFC東京のアルベル監督もレアンドロや塚川孝輝、ルイス・フェリッピら持ち駒を次々と投入し、流れを変えようとしてきたが、清水は揺るがない。後半途中から入った北川やベンジャミン・コロリらがさらに攻めの圧力を加え、ジリジリと相手を追い詰めていく。

 そして、ラスト5分というところで得た左CKの流れからチアゴ・サンタナがダメ押しとなる2点目をゲット。2-0で4試合ぶりの勝利を飾り、15位に浮上。J1残留への布石を打つことに成功したのだ。

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