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乾貴士加入で何が変わったのか? 清水エスパルスで「今の自分にできる部分」、34歳MFの役割と使命【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

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明治安田生命J1リーグ第24節、FC東京対清水エスパルスが7日に行われ、0-2で清水が勝利した。加入後初先発となった乾貴士は、左サイドで攻撃の起点となるべく動き続けた。果たして、乾が加わった清水には、どのような変化が生まれたのだろか。(取材・文:元川悦子)


乾貴士にかかる起爆剤としての期待


【写真:Getty Images】

 2019年以降、4年連続でシーズン途中の指揮官交代が続き、今季もJ2降格危機に瀕するオリジナル10の名門・清水エスパルス。しかし、平岡宏章監督からゼ・リカルド監督に指揮官が交代した6月以降、チーム状態は徐々に上向きつつある。

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 規律違反でセレッソ大阪を退団した乾貴士の加入初戦となった7月31日のサガン鳥栖戦も、1-3の劣勢から猛攻を見せた。北川とチアゴ・サンタナの連続ゴールで3-3と追いつき、勝ち点1を手に入れることに成功したのだ。

 これでようやく最下位を脱出したが、まだ楽観視できる状況ではない。8月7日のFC東京戦は、J1残留圏浮上のかかる重要な一戦と位置づけられた。

 声出し応援が部分解禁された味の素スタジアムに熱狂的サポーターの大声援が響く中、行われたこの試合。清水は乾が4-4-2の左MFで先発出場。ドイツ・スペインで足掛け10年間プレーし、4年前のロシアワールドカップ(W杯)で2ゴールを叩き出した男が攻撃の起爆剤になれるかが注目された。

 勝利への意欲を押し出す清水は、序盤から攻撃姿勢を鮮明にした。原輝綺、山原怜音の両サイドバック(SB)が高い位置を取り、それぞれヤゴ・ピカチュウ、乾らと敵陣へと攻め込む。勢いあるサイドアタックからチアゴ・サンタナ、カルリーニョス・ジュニオの両ターゲットめがけてクロスを入れる攻撃パターンは確実に相手に脅威を与えていた。

 こうした中、乾はベテランの味を見せる。ボールを持つと戦況を見ながらタメを作ったり、50mのサイドチェンジを送ったりしながら緩急をつけ、攻撃リズムを変化させながらFC東京に揺さぶりをかけたのだ。本人はこう話す。

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